世界最大のドローンレース World Drone Prix 2016
2016年3月に行われた世界最大のドローンレース「World Drone Prix」は、若干15歳の若者が高額の優勝賞金を手にしたことでも話題になりました。公式ページにて配信されたストリーミング配信も世界中から多くのアクセスを記録しています。Facebook やTwitter などソーシャルメディアでの反応を見ても、早くも次回の開催が期待されているようです。
World Drone Prix 2016 ハイライト映像
World Drone Prix 2016 FPV映像
ところで、このFirst Person View(一人称視点映像)を見て、「昔遊んだレースゲームみたい」と思った方も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、過去に発売された近未来レースゲームの歴史や類似点から、ドローンレースの今後の発展の方向性について探ってみることにします。
FPV映像に近いレースゲームの映像
ドローンレースのこれからを考える際の参考になるよう、FPV映像に近いレースゲームの映像を幾つかご紹介します。
F-ZERO
まずは、1990年11月21日に任天堂から発売されて当時大きな話題になったスーパーファミコン用レースゲーム、「F-ZERO」です。
当時の技術的制約から疑似3Dとなっており、さすがに25年以上も昔の第1作目となるスーパーファミコン版とドローンレースとの類似性を見出すのは厳しいでしょうか。
では次に、2003年に発売された「F-ZERO GX」です。
ゲームキューブのグラフィック性能を活用したこのグラフィック表現は、スーパーファミコン版からは格段に進歩していて見応えがあります。このバージョンになると、途端にドローンレースっぽさが滲み出てきましたね。
wipeout
日本では上記F-ZEROが非常に有名ですが、海外では「wipeout」 も同じく大変な人気があります。
こちらは初代PS版の映像です。
そして、こちらはPS3版のwipeoutHD の映像。
FAST RACING NEO
また、これは最新の近未来レースゲームである、WiiUのFAST RACING NEO です。
このレベルまでくると、相当なリアリティーを感じますね。
このように、歴代の人気レースゲームを時系列で見ていくと、純粋な絵の精緻化だけでなく、画角やライティング、エフェクトやモーション、コース設計やオブジェクト配置など、ゲームを「視聴」する人を楽しませるさまざまなノウハウが進化していく様子がよくわかると思います。
ドローンレースの演出のこれから
ドローンレースを真のエンターテインメントとして成立させるためには、レースゲームの進化と同じように、レースを視聴する人を楽しませる仕掛けや工夫をいかに盛り込んでいくかがカギになるのではないでしょうか。
ちなみに、こちらは海外で行われた World Drone Prixの予選の映像。光を輪をくぐるようなコースの演出がとてもかっこよいのですが、ここまで順を追ってレースゲームの動画を観てきた人なら、まだ、どこか物足りなさを感じてしまうのではないかと思います(同時に、こういう見せ方や演出をすればといのではないか、というアイデアがわいてきた人もいるのではないかと思います)。
もちろん、現実世界にコースを設置する以上、予算や時間などの制約もあるかと思います。しかしながら、歴代のゲームクリエイターたちが限られたマシンスペックの中で創意工夫を重ね、人々をあっと言わせるようなエンターテインメントを作り上げてきたように、ドローンレースも限られたリソースの中で総意工夫を重ね続けることによって、人々をあっと言わせるエンターテインメントとして昇華されていくのではないかと期待しております。