最近話題のドローンを飛ばしてみたい! だけど何から手をつけていいのかすら分からないというお話をよく聞きます。テレビなどの報道を通じてドローンという言葉の認知は広がってきましたが、まだまだ世の中はドローンに触れたことがない方が圧倒的の多いのも事実。そんなあなたのために、ドローンの始め方を一からお話しします。
ドローンの種類
「ドローン」と言う言葉が浸透してきたのはここ2~3年。官邸へドローンが落ちた事件で「ドローン」という言葉を初めて聞いた、見たという方も多いのではないでしょうか。
今現在、ユーザーの目的に合わせて実に様々なドローンが販売されています。産業向けには数百万円するような組み立て式の大型ドローン。空撮を業務として商用利用するために高級なカメラを搭載した数十万円の中型ドローン。趣味向けにGPSや高度調整機能を備えた小型ドローン。そして入門向けに低価格で販売されているトイドローン。数年前に比べて、ラインナップが充実した反面、どれを選んだらいいのか迷う方もいらっしゃるようです。
どこで買えばいいの?
ドローンはどこで売っているの? おもちゃ屋さん? それともインターネット通販? どこで買うかはもちろん貴方次第ですがちょっと待って! まずはどこにどのようなドローンが売っているのか解説しますね。
- おもちゃ屋:大手量販店を含むいわゆるおもちゃ屋さんには、トイドローンのラインナップが充実しています。大きな販売店ではホビードローンやプロ向けの高級機種も取り扱っているところも多くなってきました。
- インターネット通販:Amazonをはじめ、楽天、yahooなど、ドローンと検索するだけで様々なショップが販売しています。不思議なことにおもちゃ屋で見かけたドローンが、とても安く販売していることもあります。ただ、違法品を販売していたり、海外からの発送品で正しく動作しなかったり壊れていたりと、トラブルになるケースも。逆に考えれば、正しい知識を持っていれば大丈夫。お得に買えるチャンスでもあるのです。
- ラジコン販売店:数少なくなりつつあるラジコン専門店ではありますが、東京、大阪、福岡などに健在です。ここではホビードローンを中心に取り扱っていて、予算に応じて比較的幅広く販売されています。ドローンに詳しいスタッフに製品選びをお願いすることもok。
トイドローンとホビードローンについて
ここまでで分かりにくい表現が出てきたかと思います。
「トイドローン」(toydrone)
「ホビードローン」(hobbydrone)
トイドローンは言ってみれば「 おもちゃ 」扱いのドローンのこと。
価格が安く、カメラ機能はあっても画質が劣ったり、交換出来るパーツが少なかったりと制限が多いけれど、超小型のものから大型まで値段が手頃です。思い立ったら近所の家電量販店で入手出来る手軽さも魅力です。
ホビードローンはおもちゃとは異なり、価格の幅が広く、ユーザーが求める機能が装備されていたり、より本格的なドローンに近い機能を持っているものもあります。カメラの性能や機能によって、価格が数万円単位で変わってくるため、求める機能や装備を慎重に選ぶことも大切になってきます。モーターやプロペラといったパーツを購入して、自身で交換することも容易に出来るものが多いのが特徴です。
大きさと重さ、難易度の関係は?
トイドローン、ホビードローン問わず難易度を比較すると、大きければ大きいほど安定性が増します。実はトイドローンの中でも超小型のドローンは難易度が高いのです。これはコントロールする際、微細な操作にも機敏に反応してしまうため、慌ててしまい壁に激突・・・といったことがよくあります。とは言え、室内での練習をするには大型のトイドローンは不向きなので、小型~中型機を購入するのが最適と言えます。
重さに関しては、重い方が安定性が高いと言えるのですが、必ず200g以内のドローンを購入しましょう。日本の航空法では200g以上のドローンは規制の対象となっているため、飛ばす場所が大きく制限されています。
ホビードローンの優位点
トイドローンの「手軽さ」は捨てがたいですが、ドローンを飛ばす!のであればホビードローンがオススメです。大きさと難易度の関係で触れましたが、ドローンをコントロールする上で大切な微細な操作に従順に反応してくれるのはホビードローンに付属しているコントローラーが最適と言えるのです。トイドローン付属のコントローラーの中には、スティックを微細に動かしても反応しないものもあるのです。
モード1とモード2について
モードとはコントローラーの操作方法、スティックの役割の違いを指します。コントローラーを持ったとき、右手親指で上昇・下降させるのがモード1、左手親指で上昇・下降させるのがモード2と覚えましょう。なぜ2つもあるの? と思いますよね。簡単に言うと、日本では昔からラジコン飛行機の世界ではモード1が主流で、欧米ではモード2が主流だったため、その流れを汲んで2つのモードがそのまま存在している、と覚えておいてください。
ホビードローンの機種によっては、モード1とモード2を切り替える事ができるコントローラーが付属しているものもありますから、どちらがいいか迷ってしまったらコントローラーが切り替え式のものを選ベばどちらも試してみることも出来ます。
スロットル操作の違い
ここまでの解説で、ホビードローンを買えばOKなんだね! と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実はもう一つ、重要な判断基準があります。
それはドローンを飛び立たせた後、とても重要な役割を担う「スロットル」についてです。クルマで言えばアクセルに当たる部分です。実はドローンにはアクセルに当たる「スロットル」操作が2種類あるのです。ほんの2年ほど前までは解説不要だったのですが、ここ数年でホビードローンの性能・機能も大幅に上がり、自動的に高度を維持してくれる機能が付いている機種が増えてきました。
トイドローンの殆どは、高度を操縦者が調整するため、常にスロットルスティックを操作する必要がありますが、自動調整してくれる機能が付いていると、指を離しても一定の高度を保ってくれます。
もしあなたが「ドローンレースに参加したいから練習したい!」と思っているのであれば、高度調整機能が付いていないものを選びましょう。より大きく、高級なカメラが付いたドローンで空撮したい! と思っているのであれば、高度調整機能が付いたものを選びましょう。
これで晴れてあなたが選ぶべきドローンが見えてきました。ここまで「どこで買うか」、「トイ/ホビードローンの違い」、「モードの違い」に触れてきました。これらの点を踏まえて、オススメ機種をご紹介したいと思います。
入門用ドローンオススメ機種4選
以上の点も踏まえて、オススメ機種を4機種選定しました。
Tello
ドローンの雄であるDJI社とアメリカIntel社が技術協力して開発されたTello。元々の製造者は中国深センにあるRyseTech社です。DJIが技術協力しているためか形はどことなくDJI Sparkに似ているような気もします。このドローン、とにかく安さに驚かされます。何とたったの¥12,800-です。この価格でこれだけの性能を持ち合わせているとなると、他のトイドローン、ホビードローンメーカーは頭を抱えてしまっているに違いありません。
このtelloはもちろん価格だけがセールスポイントではありません。性能も注目ポイントです。DJI製ドローンをはじめ、最近販売されているドローンにはGPSが装備されていますが、さらにポジショニングセンサーを備えているものもあります。ポジショニングセンサーとは自機の位置を把握できるよう、地面の形状を記憶して、その場にホバーリングできる機能です。このポジショニングセンサーがtelloには備わっているのです。初めてドローンを飛ばすなら室内で安全に飛ばせるサイズが断然オススメですから最初の1台目としては、telloは最有力候補と言えるでしょう。
Parrot MAMBOシリーズ
ホビードローンの火付け役といっても過言ではないフランスParrot社が2016年にリリースしたMAMBOシリーズ。ドローンレース入門向けのMAMBO FPV、より玩具っぽさを演出したMAMBO MISSIONなど、遊び方を多数提案しているのが特徴です。
シリーズ共通の機体はとても丈夫で落としても簡単には壊れません。様々なイベント会場でデモ使用されることも多いので、見たこと、触れたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
MAMBOに搭載されているセンサーは、高度制御に使用する超音波センサー、より精度の高い高度制御を実現する気圧センサーも搭載しています。
MAMBOにはゲームコントローラー風の送信機が付属しているので、ドローンの操作を練習するには最適と言えます。最初からドローンレースをはじめたい! という方向けにMAMBO FPV Deluxeもありますから、VRグラスでいきなりドローンレース体験も可能です!
G-Force HUBSAN X4 HD
720p対応200万画素HDカメラを内蔵。高精細度映像のクオリティで撮影が可能で、大画面テレビでの視聴も楽しめます。また、買ってすぐに動画撮影が楽しめる、4GB MicroSDカードも付属。かってすぐに撮影が開始できます。そして室内でのフライトをする際に必需品のローターガードも付属しています。
G-Force PXY Wi-Fi
PXY Wi-Fiの一番の革新的な機能は、Wi-Fi接続でスマートフォンやタブレットとの連携ができること。専用アプリをインストールすれば、ドローンからの映像をFPV(一人称視点)でのライブビューで楽しんだり、写真や動画で記録することができます。さらにスマホをコントローラーにして、ドローンを自在に操ることも。
まず最初に買うのは安定飛行ができる安全なドローン
ここに挙げた機種であればすんなり飛ばす事が出来るはずです。初めてドローンを購入する上で重要なのは、安定した飛行ができる事、そして安全である事です。時速○○km出るドローンもありますが、入門者には早すぎます。決して手を出してはいけません。安定した飛行と安全に対する知識、そして法律を理解した上でステップアップする事が必要です。この点は必ず守りましょう。
次回は購入後の注意点や飛ばし方をご紹介します!