ドローンクルーズ:自然と闘うのではなく、自然を楽しむ[長野県中川村・今心-ima-coco]

中川村営の望岳荘から陣馬形山方面へ登っていくと、美里地区というのでしょうか、住所で言えば大草という地名の場所に、いまここ(今心 ima-coco)さんがあります。

ここは、恐らくは世界で唯一?なのではないでしょうか、草刈りの世界大会が開催される場所で、9月3日の「くさ」の日に、草刈りの熟練の強者達が集い、その技を披露する、そんなイベント会場となっています。

今年も、映えある本大会にエントリーさせていただきまして、この草刈り世界大会の様子を空撮させていただきました。

草刈りという重労働を、楽しい競技に変える

暑い盛りに伸び放題の雑草を刈る仕事は、想像以上に重労働で、歴戦の腕力自慢でも根をあげます。
しかし、その重労働も、多くの仲間が取り組めば、楽しい時間に変わります。
ドローン空撮では、そんな「草刈り」という作業そのものにフォーカスして、撮影・表現していきます。
緑豊かな日本の原風景と、たくましく草を刈る人の姿を追っていきます。

夏の日差しは明るく、影は暗く

NDフィルタのセットが悩ましいのがこの時期です。ND4やND8では白トビが出るほど明るい場所と、とはいえND16以上だと木陰の深い箇所の暗さが闇のようになったりと、明るさのギャップが大きく悩ましいです。
NDの選択は天気の変化を見てこまめに変えます。雲による太陽光の変化は厄介で、目まぐるしく明るさが変化するときもありますが、まずは対応できるタイミングでNDを変えます。

草刈り世界大会の撮影は空撮と動体撮影の合わせ技

ここ今心-imacoco-で開催される「草刈り世界大会」は、今回で第94回を数えています。
参加人数は少しずつ増え、昨年の93回大会で爆発的に参加者が増加、その勢いをそのままに、今年も開催したのです。
ズピード部門、アート部門など、草刈り競技のバリエーションは数多く、筆者もドローン空撮部門でエントリー。見事に優勝となりました。(エントリーは筆者のみでしたが。)

なだらかな棚田となっている開催場所は、そのはるか先にアルプスを見渡せる絶好のロケーションです。それだけでも十分に空撮を楽しめるわけですが、そこにさらに草刈りアスリートたちの動きが加わります。車や電車といった動体撮影とは異なり、さらに対象としては小さな被写体である人物を、その動きを活かしながら空撮します。
ここで大事なのが、「ゆっくりと動かす」技術です。

人物動体を撮影するときは、ゆっくり移動して、人の動きを大きく見せる

特に人物以外に、動くものがないときは、その人物の動きに着目させたいわけですが、ドローンはそこまで人物に寄ることができません。ある程度離れた距離から撮影することが、安全運行面でも必要ですし、結果、被写体を小さくとらえることになります。
その分、人物の動きを中心に見せるために、ドローンの動きは極力抑え、滑らかに静かに移動させることに集中します。ドローンの動きが緩慢なほど、人物の動きが引き立ち、自ずと見る人は人物の動きに注目することになります。

中川村の魅力はこれだけではない。

次回の草刈り世界大会、また草ぼうぼうになる頃ではないかと想定しています。恐らくは2020年の「くさ」の日となるでしょう。
それまでに草刈りアスリート達は、さらに腕を磨き、能力を向上させて挑んでくると思います。
そんな草刈りアスリート達の一挙手一投足を余すところなく撮影し、多くの皆様にその雄姿をお届けできるよう、筆者もドローン空撮の腕をさらに上げて頑張る所存です。

また、中川村は、坂戸橋、小渋峡、天竜川といった、ドローン空撮に最適なスポットがいくつもあり、その撮影に訪れるだけでも価値ある場所となっています。今後、こうしたスポットもご紹介していければと思います。

では、第94回草刈り世界大会の映像です。