【発表会レポート】DJIが新製品「OSMO ACTION」を公開

令和元年5月16日(木)、DJI新製品の発表会がありました! キャッチコピーは「新たな自分を、解き放て」だそうです。Phantomシリーズ復活なるか、新たなドローンなのか、それともアクションカメラなのか・・・。色々な憶測が飛び交う中、SNSの噂が飛び交う中、噂は噂で真偽のほどはわからない・・・。そして夜中の22時、ついに発表されたその製品は「OSMO ACTION」

ドローンではないのか・・・確かに一瞬そう思いました。ですが、DJIのHPには、

 DJIのテクノロジーの思想は「創造活動をよりシンプルに」

と書かれていたことを思い出しました。前回の「OSMO POCKET」はまさにそれを体現した製品で、これまでのドローンユーザー以外のユーザーの市場も開拓していました。そう考えると、ドローンにこだわるのではなく、「創造活動をシンプルにするツール」と考えると、ワクワク感が出てきます。

今回はどんな創造活動が期待でき、どれだけシンプルなのか・・・期待に胸ふくらませながら、虎ノ門にある会場に足を運びました。

会場の様子

実は私、DJIの製品発表会には初参加でした。Appleを意識したかのような魅力的なプレゼンテーションや会場作り、そんな噂を聞いたので、会場の様子も気になっていました。

会場は東京都港区にある「THE CORE」というカフェ・ダイニング兼イベントスペース。道路に面した壁一面がガラス張りで、通りからでもなかが伺える開放的な会場でした。開始前から長蛇の列、いい席を確保しようとメディア関係者の方々がたくさんいらっしゃいました。中に入ると、高い天井に、真ん中に柱のない広い空間、カフェのカウンターも併設されているおしゃれな空間でした。

図1:外観  図2:並ぶメディア関係者
図3:会場の中の様子(パノラマ)

 

発表会

いよいよ11:00の発表時間になりました。これまで発表されてきたドローンや手持ちジンバルの製品を紹介しながら「撮る楽しさ、創る喜び」を実現してきたと紹介、その流れの中での今回の「アクションカメラ」だそうです。

図4:プレゼンの様子①  図5:プレゼンの様子②

 

プレゼンテーションが終わった後は、ゲストスピーカーのプレゼンテーションの時間でした。マウンテンバイクライダー 永田隼也選手 がマウンテンバイクに OSMO ACTION を付けて走行した迫力の映像を見せていただきました。ご本人も登壇され、OSMO ACTION の魅力を語られました。 その中でも印象的だったエピソードがありました。

「エンデューロの競技では距離が長いので、1回のコースで1回しか練習できない。よって、コースを走った時に記録をしておく必要がある。」

競技で勝つためには必須のアイテムになっている、ということでした。 勾配の激しい山の中の道をすごいスピードで下っていくマウンテンバイク、そこに取り付けても耐えられる性能を持っているということですね。

図6:永田選手の紹介  図7:永田選手(左)

 

気になるお値段は、¥44,820(税込)、発売日は5月17日(金)だそうです。

図8:値段と発売日のスライド

 

OSMO ACTION の詳細なスペックは既に公式HP に上がっていますが、ポイントだけ記載したいと思います。

スペック

・4K 60fps
・FOV 145°
・防水・・・水深11mまで(別売りの防水ケースがなくても)
・耐温・・・気温-10℃まで
・耐衝撃・・1.5mの落下試験に耐える
・駆動時間
  約63分(ロックステディON、4K 60fps、で撮影)
  約135分(ロックステディOFF、1080p 30fps、で撮影)
・デュアルディスプレイ・・・正面と背面にディスプレイを配置、自撮りの画角確認が容易
・電源OFF状態から2-3秒程度で起動(シンプルな操作)

機能

・ロックステディ機能・・・電子手ブレ補正でブレない映像
・HDRモード撮影機能・・・明部と暗部が際立つ環境でも自然な映像が再現可能
・スローモーション機能・・・8倍まで
・タイムラプス機能

その他

・スマートフォンのアプリ「DJI Mimo」から操作可能
・NDフィルタや各種マウント等あり

図9:NDフィルタなど 図10:マウントにケースをつけたところ 

 

体験会

スペックは分かったものの、実際に自分で触れてみないとわからないのですが、今回体験をさせていただけました。 とにかく小さい(65×42×35mm)そして軽い(124g)!ボールペンと比較した写真が下記ですが、小ささと軽さにびっくりしました。

図11:カメラ正面 図12:カメラ背面  図13:カメラ側面

 

そして、手振れ補正機能はすごかったです、カメラを多少上下させても、対象を捉えたままほとんど動きませんでした!ジンバルが中に入っているんじゃないかと思うくらいの制御です、「ロックステディ」という名称の電子手振れ補正機能だそうです。

「デュアルスクリーン機能」も簡単に使えました。普段は背面のディスプレイにカメラで捉えた映像を表示しているのですが、二本指で背面ディスプレイをタップすると、正面のディスプレイに表示されました(戻すときは背面のディスプレイをもう一度二本指でタップします)。自撮りの画角確認に便利だと思いました。最大の特徴といってもいいでしょう。

図14:正面ディスプレイで自撮りの画角確認

 

筆者なりの感想

私が個人的に期待していたのは、以下の5点です。

・バイクツーリングに持っていけるか?
・マリンスポーツに使えるか?
・ウィンタースポーツに使えるか?
・現場の仕事に耐えられるか?
・ドローンに付けられるのか?

それぞれ、感想を述べてみたいと思います。

バイクツーリングに持っていけるか?

バイク本体につけるのもいいですが、振動対策が必要になります。それよりも、ヘルメットや腕にマウントをつけて取り付けた方が良い気がしました。OSMO POCKET と組み合わせることで、より楽しい映像ができるのではないかと思いました。さらに Mavicシリーズを一緒に持っていけば、自分視点撮り・自撮り・空撮 と様々な角度からの映像が撮れる事になります。これは、ライダーを集めてぜひ実践してみたいです。

マリンスポーツに使えるか?

鉄板な使い方ですね、防水ケースをつけなくても水深11mまで大丈夫だそうなので、色々遊べそうです。シュノーケリングに使うのもいいですし、自撮り棒の先につけて空中から水中までを一気に打ち下ろした後水中からまた空中へ・・・という激しい動きの映像も撮ってみたいと思いました。

ウィンタースポーツに使えるか?

これも鉄板な使い方ですね、氷点下10°まで大丈夫なようなので、マウントを使ってスキーやスノーボードの先につけるのが良さそうです。これから夏ですが、南半球にいく予定の方は先駆けて使ってみることができそうですね。

現場の仕事に耐られるか?

例えば測量・建設の現場では、現況写真の撮影のために防水・防塵のカメラがよく使われます。アクションカメラは画角が広いので敬遠されることもありますが、その小ささや軽さから現場でもアクションカメラを使うケースもあります。 OSMO ACTION は防水・防塵ですし、目の高さ(1.5m程度)から落としてしまっても耐られるようなので、仕事でも使えるでしょう。

ドローンに付けられるのか?

これについては、さすがにオフィシャルな見解は出ていないそうです。カメラつきのドローンがDJIからたくさん出ているので、そちらを使うのが良いということになるでしょう。Phantom1やPhantom2といった、カメラが外付けのドローンをお持ちの方は、試してみると良いのかもしれません。

 

まとめ

今回の新製品ですが、下記のようにまとめられると思います。

・DJIより4K 60fps のアクションカメラが発売
・デュアルディスプレイで自撮りの画角確認も容易
・ロックステディ機能でブレのない映像を撮影可能
・5/17発売、¥44,820(税込)

アプリについては、その場ですぐに編集できるかとか、気になるところは多いですが、DJI Go などのアプリで充実した編集機能を提供してきたDJI社さんですので、「創造活動をよりシンプルに」というDJI社のコンセプトを体現するものになると期待しています。

最後に、カフェでは美味しい軽食とコーヒーをいただきました、ありがとうございました。そして久しぶりにあったドローン仲間の方々とお話しできたのも嬉しかったです。
ユーザーが楽しく過ごす時間というものを大切にしていると感じられる、新製品説明会でした。

<参考URL>
・DJIについて , https://www.dji.com/jp/company?site=brandsite&from=footer
・OSMO Action , https://www.dji.com/jp/osmo-action/info#specs
・DJI mimo , https://www.dji.com/jp/mimo

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高山誠一/高山ドローンリサーチ株式会社 代表。無人移動体に関する人材育成・コンサルティング・研究開発・安全管理を行う。 2013年 SIer(システムインテグレータ)に入社、SEとして複数の企業システムの安定稼働を支える。 2008年 航空測量会社に入社、主に自治体向けのシステム構築の傍、AWSをいち早く取り入れ可用性向上の基礎を作る。UAV測量の技師として測量業務にも従事、UAV測量講習の講師としても関東を中心に全国で講義を行った。 ドローンが空だけでなく陸海空で活躍する社会インフラとなり産業として発展することを願い、「TDR (Takayama Drone Research)」というFacebookページを個人の活動として2018年10月より開始、会社設立後の現在も毎日更新中。  JUIDA認定講師、DJIスペシャリスト、技術士(情報工学部門)、MOT(技術経営学)、測量士、第三級陸上特殊無線技師、第四級アマチュア無線技師。