エアロネクスト、中国大手のドローンメーカー2社と戦略的提携。4D GRAVITY®︎搭載ドローンの中国市場への投入に着手

次世代ドローンの株式会社エアロネクスト(東京都渋谷区、以下「エアロネクスト」)が、中国大手のドローンメーカー2社と相次いで戦略的提携を行いました。

これによってエアロネクスト独自の重心制御技術「4D GRAVITY®︎」テクノロジーを搭載したドローンの中国市場への投入に、大きな一歩を踏み出したと言えます。

今回、中国・深センに拠点をおく2つの大手ドローンメーカーとの提携を組んだエアロネクスト。提携した2社は、いずれも豊富な実績とノウハウを持つ大手です。それぞれの戦略・ビジョンについてまとめてみました。

独自の重心制御技術「4D GRAVITY®︎」で中国市場へ羽ばたくエアロネクスト

今回の戦略的連携における重要なキーワード「4D GRAVITY®︎」。

エアロネクスト独自の重心制御技術である「4D GRAVITY®︎」は、UAVにおける機体の構造を根本的に見直し開発したもので、従来のドローンでは実現できなかったその安定性、信頼性で産業ドローンの用途範囲を大きく拡大できるものです。

すでに4D GRAVITY®搭載の産業ドローン『Next』シリーズの原理試作が複数種類発表されています。

また、今年5月には中国・深センにあらたに現地法人「天次科技(深セン)有限公司 (英文名 Aeronext Shenzhen Ltd.)」を設立し、中国市場での4D GRAVITY®テクノロジーライセンスビジネス推進の一歩を踏み出したばかりです。

エアロネクストは、最大の強みである「4D GRAVITY®︎」とともに、ドローン市場が非常に活発な中国への進出を進めています。

幅広い産業用途に利用できる4D GRAVITY®︎搭載ドローンの開発に着手:中国最大手の産業ドローンメーカーMMC社との連携

今回連携したうちの1社は、中国・深圳産業ドローンの大手メーカーである深セン市科比特航空科技有限公司 MicroMultiCopter Aero Technology Co., Ltd. (中国・広東省深圳市、以下:MMC)。

2010年に設立されたMMC社は、深セン・宝安に本社と工場を構える他、浙江、広東、湖北等に研究開発、生産、トレーニング拠点を持っています。

産業ドローンの設計・加工、各種パーツの開発生産から操縦用のシステム開発までの包括的サプライチェーンを持つことでワンストップ対応ができ、中国のみならずグローバルでも最大手の産業ドローンメーカーです。

その用途は非常に幅広く、測量、セキュリティ、消防、電力架線工事などに対応できるマルチコプター及びVTOL製品群に加え、25種類を超えるペイロードが特徴です。

国営企業や外資系企業など多くの顧客を有し、豊富な実績と定評があります。

昨今、MMC社は自社の研究開発および生産能力を最大限に発揮し、グローバルでのドローン関連企業および開発者との協業を通じ、ドローンの新たなユースケース開発ならびに現在のボトルネックを解決していくことを目指しており、今回のエアロネクストとの提携はそのいい事例であるといえます。

エアロネクストとMMCは、中国市場において新たな用途を共同で開拓することを目指し、「4D GRAVITY®︎」搭載機体の開発に着手する合意に至ったとのことです。

物流ドローンを活用した新たな事業開発を検討へ:中国大手の産業用ドローンメーカーSMD社との連携

もう1社も、中国の産業用ドローンメーカーの大手です。

深セン智航無人機有限公司 Shenzhen Smart Drone UAV Co.,Ltd. (広東省深セン市、以下SMD)は、ティルトローター垂直離着陸機(tilt-rotor, VTOL)に強みをもつ企業です。

「グローバル規模でのUAV産業のパイオニア」と称するSMD社は、機体の気動設計、フライトコントローラー、運用システムの全サプライチェーンを自社開発できるケイパビリティを持ち、大型積載量かつ長時間飛行が可能な物流用途に豊富な実績を持っています。

リモートセンシング、セキュリティ、長距離巡回、物流の4大領域で事業展開をしており、特に物流領域では、中国大手航空物流企業や中国郵政などの顧客基盤を軸に、山間部や離島間輸送の実績が多数あります。

SMD社との連携では、4D GRAVITY®︎搭載の物流ドローンを活用した事業開発に着手するとのこと。同時にSMD社は、エアロネクストの日本における豊富なリソースを活用し、日本の産業ドローン市場におけるユースケースの開発にも積極的に関わっていき、日中の産業ドローン市場の拡大に貢献していくとのことです。

戦略的パートナーを迎え、日本から中国へ、中国から世界へ

エアロネクストは、「中国市場をグローバル展開のショーケース」と位置付けています。

産業ドローン領域で多くの経験と実績をもつ大手2社を戦略的パートナーに迎えたことで、新たな産業用ドローンの可能性をさらに広げていくことでしょう。これからの動向が楽しみですね。