ドローン初心者からのステップアップ ~その③:空撮に出かける前の練習~

ドローン初心者向けの新連載「ドローン初心者からのステップアップ」シリーズ、第3回目の今回は「練習」の話です。

空撮機も手に入れた、法律も頭に入れた、さあ空撮に行こう!・・・と言いたいところですが、いきなり本番というのはやはり怖いもの。
動作確認を含め、練習してから出かけるようにしましょう。

 

トイ・ドローンと空撮用ドローンは、全然違う!

まず、トイ・ドローンと空撮用ドローンは、全く違います

操縦がより難しくなるのでしょうか?

いえ、むしろ操縦そのものは楽になります。
送信機のスティックから手を離しても、その場で留まっているほど安定しています。

なぜでしょうか?

それは、搭載しているセンサの種類が異なるからです。
位置を検知するGPS、傾きや加速度を検知するIMU、高度を検知する気圧センサ、向きを検知する磁気センサ、地面を見て機体のズレを検知するビジョンポジショニングセンサ、障害物を検知する障害物検知センサ・・・。

空撮用ドローンは価格が高いですが、これらのセンサーによって安定したホバリングを実現しているのです。
よって、これらのセンサーが少ない・または性能がそこまで無いセンサを使っているトイ・ドローンとは、まったく性能が異なります。

空撮機は動作確認も含め、練習場で練習をしてから空撮に出かけることを強くオススメします。

 

練習場(関東近辺)

都内では練習する場所がなかなかないと言われています。

そこで、下記では関東近郊でオススメの練習施設をいくつかご紹介します。
初めて利用される方は、それぞれの施設に問い合わせてからご利用ください。

古河市無料練習場(茨城県)

リバーフィールド古河」という、渡良瀬川の河川敷を利用した広大なスポーツレクリエーション施設です。
サッカー練習場などもありますが、その一角に「芝生の丘(ドローン練習場)」があり、そこでドローンを飛ばす練習ができます。
無料といっても、事前の予約の電話と、当日の受付は必要なので注意しましょう。

TOKYO POOL LABO 〜水空両用ドローン練習場〜(東京都)

廃プールを利用した、足立区にある「TOKYO POOL LABO(トウキョウプールラボ)」という施設です。
毎月1回のペースで練習会を開催している「ハニカム・ビギナー」というイベントがあるので、その機会に参加・利用するのがオススメです。

DRONE VILLAGE(千葉県)

屋内外にドローンフライト練習場所のある「DRONE VILLAGE(ドローンビレッジ)」という施設です。
古民家を利用したマイクロドローン練習コースも併設しています。
JUIDAカリキュラムや DJI Camp のカリキュラムも行っており、インストラクターが常駐している安心感があります。

伊賀野の花畑(群馬県)

ほうき草の栽培をしている「伊賀野の花畑」という場所です。
ボランティアの方々で運営されている伊賀野の花畑をお借りして開場しているそうです。
詳細はみなかみドローンサービスのページにも書かれています。

 

練習方法

前回の連載でも取り上げた練習方法は、空撮用ドローンでも共通です。
下記のことが安定してできるか、過去の記事でご紹介した内容もご覧いただきながら練習してみるとよいでしょう。

・①離陸
・②着陸
・③ホバリング
・④スクウェア
・⑤ロングストレート
・⑥裏ロングストレート

<参考記事>

ドローン初心者は何から始めるべきか?⑥ ~ドローンの訓練を続けよう(前編)~

ドローン初心者は何から始めるべきか?⑦ ~ドローンの訓練を続けよう(後編)~

これに加えるとしたら、カメラの傾きを変える「チルト」の練習もしておいた方がいい、という点でしょうか。
これは空撮の現場で実践するほうがより効果的です。
上方・下方も含めた周辺確認をしたあとで、ある程度の高さからスロットルを下げていき、その途中でチルトを変える練習です。
普段見慣れない風景を楽しみながらより安全に練習できるので、オススメです。

(例:【ワンカット空撮動画】「海辺の岩場の真俯瞰」 (No.0011), Takayama Drone Research)

 

まとめ

今回の記事のまとめです。

・空撮用ドローンには様々なセンサがついてるので安定している
・練習場がいくつかあるので自分に合った施設を利用しよう
・操縦練習方法はあるが、それに加えて「チルト」の練習もしておこう

次回は、せっかく準備をしたのになかなか時間が無くてドローンから遠ざかってしまわないように、「つながり続ける」ためにどうしたらよいかを解説していきます。

 

<関連リンク>
リバーフィールド古河 , 古河市
TOKYO POOL LABO 〜水空両用ドローン練習場〜
DRONE VILLAGE
伊賀野の花畑
ドローン初心者は何から始めるべきか?⑥ ~ドローン の訓練を続けよう(前編)~ , DRONE MEDIA
ドローン初心者は何から始めるべきか?⑦ ~ドローン の訓練を続けよう(後編)~ , DRONE MEDIA

<過去の「ドローン初心者からのステップアップ」シリーズ>
・ドローン初心者からのステップアップ ~その①:空撮用ドローンを買おう!~
・ドローン初心者からのステップアップ ~その②:空撮の前に知っておかないといけない法律~

 

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高山誠一/高山ドローンリサーチ株式会社 代表。無人移動体に関する人材育成・コンサルティング・研究開発・安全管理を行う。 2013年 SIer(システムインテグレータ)に入社、SEとして複数の企業システムの安定稼働を支える。 2008年 航空測量会社に入社、主に自治体向けのシステム構築の傍、AWSをいち早く取り入れ可用性向上の基礎を作る。UAV測量の技師として測量業務にも従事、UAV測量講習の講師としても関東を中心に全国で講義を行った。 ドローンが空だけでなく陸海空で活躍する社会インフラとなり産業として発展することを願い、「TDR (Takayama Drone Research)」というFacebookページを個人の活動として2018年10月より開始、会社設立後の現在も毎日更新中。  JUIDA認定講師、DJIスペシャリスト、技術士(情報工学部門)、MOT(技術経営学)、測量士、第三級陸上特殊無線技師、第四級アマチュア無線技師。