最初は「ドローンってドロンッってカンジだよね」「そうそう、となるとやっぱ光学迷彩で消えるってのがお似合いだよね」「じゃあドローン煙幕っていうダジャレはどうだろう」なんていう飲み会のおっさんのようなネタを思いついただけだったのですが、ちょっと真面目に考えてみましょう。
光学迷彩といっても実用的には難しいコトは必要なかったりします。ドローンの場合ローターは高速回転しているので、そこはわりと透明っぽい素材を使うだけでも充分実用レベルに達するとかそういったイメージです。透明素材だと光学迷彩とは言えませんが。
ドローンを見る時は基本的に下からなので、それはつまり空の色をそれっぽく再現すればいい、というコトになります。となるとカメレオンのようにぼんやり本体の色が変化すれば充分だろうというコトは容易に想像できます。上空を飛行するドローンの、見た目の大きさを考えれば複雑な光学迷彩は必要ないでしょう。
天気によって本体の外装を付けかえたりする、というのが一番プリミティヴです。これは戦闘機の腹側が空っぽいぼんやりした色に塗られているのと同じ原理ですね。ですがドローンなのです、せっかくの近未来マシンなので光学迷彩だと言い張れる程度にはなんとかしたいものです。
まず本体底面を透明というか曇りガラスのような素材で作ります。その本体の要所要所にカラーLEDで光を当ててやると全体がぼんやりLEDの色で発光します。色だけでなく発光が必要なのは、本体底面は自身の影で暗くなってしまうからです。とにかくコレでドローン本体を任意の色に変化させるコトができます。
あとは単純に本体上面にカラーセンサーを付けてそれをLEDの色に対応させてやれば簡易光学迷彩の出来上がり。ね、簡単でしょう。本体は見えなくなるので操縦は本体内蔵カメラからの1人称視点で行います。もちろん通常モードとステルスモードの切り替えはできるようにしておきます。やはり見えてる物体が突然消えるほうがカッコいいですし、実用的にも便利でしょう。
軍事利用の場合もっと本格的なステルス技術があるのでこのアイデアは却下=法的にもセーフではないでしょうか。盗撮利用の場合はそもそもドローンって結構やかましくて光学迷彩とか関係なくバレるのでこちらもセーフですね。
筆者としては「謎の飛行物体が消える」という近未来ロマンを楽しみたいだけなので悪用全般はナシでお願いしますね。まぁ誰もやらないとは思いますが。とにかくそういう前提で考えると「本体は消えてるのに音は消えてない」ほうがロマン溢れると思うのですがいかがでしょうか。
さて、実はこのアイデア、他にも使い道があるのです。
光学迷彩と真逆の考え方で、上記カラーセンサーと発光用LEDの間に反転回路をひとつ挟んでやるのです。するとRGB各色が反転されて本体底面の色になる、というワケです。
何が素晴らしいかというと、視認性が抜群に良くなるハズなのです。なんせ反対色ですから。とココまで書いて気づきましたが、白と黒のど真ん中の灰色みたいな空だと反転しても同じ色なので完全に消えてしまいますね。反転回路だけでなく色を任意に変化させる機能も必要かもしれません。
ちょっと実用的(≒ロマン少なめ)な話になってしまいましたので最後にもうひとつだけアイデアを。
このインチキ光学迷彩ですが、全体を消さずに「任意のカタチが見えるようにする」コトもできるワケです。ローター等の飛行に関わる構造だけ見せないようにして、見える部分だけ見るとアダムスキー型、なんてコトも可能です。
地上から動画を撮影して、飛行中に突然消えたりしたらかなりリアルなインチキ映像が撮影できそうです。センサーやLEDの動作を遅くすれば「だんだん消えていく」なんてコトも容易にできますし。ヘタな映像編集より臨場感溢れるものになりそうです。