世界各地でドローンによる配送サービスの実験や実践がスタートしておりますが、まだまだ個人経営店のような予算では手が出しづらいのが現状です。特に街のお寿司屋さんやお蕎麦屋さんで、出前をやっている店について考えてみます。
ドローンによる配達では出前先の住所を設定し、そこにブツを送り届けてからベースである店舗に帰ってくるというコトになります。しかしながら寿司屋や蕎麦屋ではそれだけでなく、お客さんが食べ終わった器を翌日取りに行く、というミッションが待っております。
筆者は若い頃老舗の寿司屋でバイトしておりましたが、その時の気持ちとしては「出前はいいけど器の回収はとても面倒」というものでした。前日にバイトが入っていない日は特に「昨日自分がいなかった時に発生したイベントの後処理だけやらされる」ような気分になったものです。
そこでドローンを回収専用にしてはどうか。幸い寿司屋や蕎麦屋ではトレイに器を乗せて出前するのが一般的なので、このトレイをドローンにしてしまおうというコトです。
まず普通に出前します。配達時に「器は必ず外に出しておいてくださいね」と一言添えておきましょう。お客さんは食べ終わってから器を外に出し忘れたりするかもしれません。なので回収時刻の前に何度かドローンから「器を外に出してください」という音声を再生します。ロボがしゃべると愛着も湧くので一石二鳥です。
もちろん外に出したらボタン一発でその案内音声はキャンセルし、同時に「器が外に出てるよ」を知らせる信号が店舗に無線で届きます。あとはそのままドローンが自力で帰還すればOKというワケです。
「だったら普通にドローンの配送と同じぐらい予算がかかるんじゃね?」というと、そうでもないかもしれないのです。
まずドローンには店舗の位置だけ記憶しておけばいいのです。これは「目的地を設定するのはドローンを買った最初の1回だけで、後は書き換え不可のROM化できる」というコトで、業者が最初の店舗登録をすれば、後は書き換えるための諸々の費用(PCやら専用ソフトやら)がかからないのです。
さらに、往路は普通に人間が行くのでバッテリーは往復ではなく復路だけでいいというコトです。復路だけなら既に食べ終わった後なので往路より軽くなっています。食べ物の出前となるとカラスの襲撃が考えられますが、これも復路なら器だけなので特に問題はないでしょう。
こういったメリットを活かしていけば個人経営店での導入が可能な程度には安くドローンを作れるのではないでしょうか。実体験として「器の回収は面倒」という気持ちと「ドローンはそこにあるだけでアガる」という気持ちがあり、それは筆者だけではないと思うのです。是非ドローン関連企業の各社様、実現をお願い致します。
頑固な職人さんでも簡単に扱える操作性とカッコいい和風のネーミング、そして漆塗りのボディ、金箔で書かれた筆文字のロゴ。すし商連合のイベント等で発表したら話題性バツグンですよ。