これは買い!正統進化を遂げたDJI Phantom 4 レビュー

3月15日に発売日されたDJI Phantom 4。前作にあたるPhantom 3 シリーズの発売からまだ1年も経っていないため、購入を迷われている方も多いのではないでしょうか。そこで今回、一般社団法人群馬県ドローン協会の協力の元、DJI Phantom 4のフライトレビューを行ってきました。

http://www.dji.com/jp/product/phantom-4

随所にDJIのこだわりが詰まったパッケージ

まず最初に開封の儀。Phantom 4 のパッケージはこんな感じです。真っ白の箱にロゴと製品写真のみの潔さ。どことなくApple製品を彷彿とさせますね。

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上面を開けました。中に何やらケースらしきモノが入っています。

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箱から取り出しました。Phantom 3 では内箱は段ボール製でしたが、Phantom 4 ではなんとそれが取っ手の付いたキャリーケースになっています!!これで専用ケースなどを買わなくても、手軽に持ち運びができますね。Phantomシリーズの専用ケースは結構なお値段がするものが多いため、これは非常に嬉しい配慮です。

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このようなロック機構も付いています。実際に開け閉めしてみると、これが付属ケースとは思えないほどの出来の良さ。DJIさん、いきなりケースから本気出してます!

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開けるとこんな感じになっています。ドローンの機体やプロポ、バッテリーやプロペラなどが無駄なく美しく収まっています。写真ではわかりにくいかもしれませんが、バッテリーの収納スペースが2つあるため、本体にバッテリーを差し込めば、合計3つのバッテリーを収納可能です。

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箱から出してみました。専用のプロペラケース(袋)も付いているのが嬉しいところ。

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これは便利!進化した着脱機構

今回、派手さはないもののレビュー参加者が口をそろえて絶賛していたのが、プロペラの着脱機構。Phantom 3 では何回も回転させてやっと取り付けられる構造になっていましたが、Phantom 4 ではワンタッチで着脱可能になっています。取り付ける時はカチッと鳴るまで押し込むだけ、取り外す時もぐっと押し込んで少し回すだけで、あっという間に取り外しができます。このように構造が変わったためPhantom 3 のプロペラは使えなくなっていますが、現地についてすぐに飛ばせるようになったのは非常に嬉しい進化です。

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持ち運び時にカメラをホールドさせる部材機構も進化していました。Phantom 3 では取付時に「あれ?どの向きではめればいいんだっけ???」と迷いがちな作りになっていましたが、Phantom 4 ではそんな迷いを一切することなく、簡単に取り付けができる機構に改善されていました。

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大容量化と取り外しが容易になったバッテリー

Phantom 3 と比べてバッテリーが大容量化したのに伴い、すこし大きさも大きくなっています。そのため、Phantom 4 にPhantom 3 のバッテリーを使いまわすことはできません。しかしながら、飛行時間が約5分長い28分に延びたこと、バッテリーの着脱が容易になったことを考慮すると、今回のレビュー参加者の中では仕様変更に前向きな声が多く上がりました。この写真のイボイボの部分を押して引き抜くのですが、Phantom 3 と比べると、ほとんど力をかけずにスムーズに着脱できました。

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美しく洗練されたフォルム

肝心の機体デザインですが、今までのPhantom シリーズのデザインからリファインされており、第一印象として「今までのデザインよりも洗練されたフォルム」になっています。表面は既存のPhantomシリーズより艶感があり、その白さをより引き出しています。前述したバッテリーのデザインも機体と一体化されており、全体的なデザインの完成度が非常に高くなっております。

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このように、フライトを始める前からレビュー参加者が大きくテンションを上げるほど、パッケージや機構に大きな進化のある「Phantom 4」。肝心の飛行性能やカメラの画質、付随機能はどのように進化しているのでしょうか。

 

安定感が増した操作性

では、早速フライトしてみましょう。今回会場をお借りしたのが、群馬県渋川市にあるフォレスト榛名。もともとバイクやバギーのガレージの貸し出しや走行のためのコースを貸し出している施設ということもあり、バッテリーの充電やメンテナンスのための道具が揃えられた、ドローンのテストフライトには最適な施設です。今回は前述の通り、一般社団法人群馬県ドローン協会の協力の元、Phantom 4 はもちろんのこと、Phantom 3 やInspire 1 とも飛行性能を比べてみました。

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飛行性能のファーストインプレッションですが、Phantom3よりも総重量が約100g増えたこともあってか、少し重量感を感じました。具体的には上下、前後左右への初動がPhantom3と比べてやや遅くなったと思います。

ただ、感覚的な部分は大いにありますが、モタついているような違和感はありません。操縦比較をしてみると、Phantom 3 にInspire1の安定感が加えたような飛行性能というように感じました。プロポ操作ミスによる急な上下 、前後左右への移動による事故の心配が軽減された、初心者にもやさしい操作感覚というイメージです。

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動画性能

Phantom 4 は空撮向けに最適化された4Kカメラを搭載。また、DJI Lightbridge ビデオ伝送システムも搭載しているため、最大2km先でもスマート端末を使ってHDやリアルタイムでカメラの映像を確認できるのもうれしいところです。

実際にPhantom 3 と同じアングルで撮影をしてみたところ、色収差が抑えられている点、暗いところも明るく撮れる点など、画質が向上しているのを確認できました。

フレームには軽量の複合材コアを組み込み、安定感と敏しょう性の向上を図っているとのこと。このコアは再設計したジンバルにも採用しており、安定性 と振動の軽減を可能にしています。また、重心位置を改善し、プロペラがカメラに写りこまない(!)ようジンバルの位置を変更しているところも、地味ではありますが既存Phantomヘビーユーザーからしたら大変うれしい大きな進化ポイントではないでしょうか。

 

安全性が増した衝突回避機能

Phantom 4 のアップデートで個人的に嬉しい機能がこの「衝突回避機能」。細い木の枝などの認識は難しいですが、ある程度のボリューム感のあるオブジェクトはちゃんと認識して衝突回避していました。

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このように、障害物からおおよそ2mくらいの距離になると、自動で認識してストップがかかります。

この衝突回避システムは、進行方向をとらえる2つの光学センサーが障害物を感知し、飛行方向を確保しながら可能な限り衝突を回避または機体が自動で迂回する仕組みで、システムが障害物を回避できないと判断した場合はユーザーが再度指示を出すまで飛行速度を落としながら停止、ホバリングします。

 

プロ並みの空撮を気軽にできる新機能

今回搭載されたアクティブトラック機能によって、ユーザーはDJI GOアプリをタップするだけで動く被写体を自動で追尾し、常にカメラの中央に捉えることができるようになりました。ジョギングする人や自転車などを、アプリのアクテブトラックモードを有効にするだけで自動で撮影できるようになっております。

実際試してみましたが、敷地内をランダムな方向に走り回っても、しっかり追尾してくれました。しかしながら、ダッシュしてドローンの真下をわざと通り過ぎるような動きをすると、見失ってしまうようでした。このように、トリッキーな動きには追従できなくなることもありますが、熟練した飛行技術がなくてもそれなりの空撮映像が撮れるという意味では、ドローンによる空撮の敷居を下げる素晴らしい機能だと思います。

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スポーツモード

今回のテストフライトで最も盛り上がったのが、この「スポーツモード」。純粋に速いって人を感動させるんですね!ということを再認識しました。このスポーツモードに切り替えることにより、時速72kmと通常時のおよそ1.5倍の速度で飛行することができるようになります。その飛行感覚はまるで「レース用ドローン」。上下左右の移動のほか、上昇と下降も大幅に高速化していました。この感動ばっかりは実際に触ってみないとわからないと思いますので、是非一度スポーツモードでフライトしてみることをオススメします!

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総評:迷っているなら「買い!」

今回のテストフライトで感じたのは、Phantom 3 と比べて、画質、飛行安定性、空撮の幅を広げる新機能、などなど、カタログスペックではわかりにくいですが、実際に操作するとはっきりと違いを感じる数々の大幅な進化を遂げていました。

出典:http://www.dji.com/product/phantom-4
出典:http://www.dji.com/product/phantom-4

Phantom 3 は「Standard」「Advanced」「Professional」とグレードが分かれていましたが、言わばPhantom 4 「Professional」ともいえる新機体を、あえて今回無印でリリースしたところにDJIの本気を垣間見た気がします。

既存ユーザーに向けた機能の正統進化だけでなく、初心者への配慮も欠かさないPhantom 4。一言でいうなら、「迷っているなら買い!」です!!