ドローン最大手のDJI が、「Mavic 2 Zoom」と「Mavic 2 Pro」を正式発表しました。折りたたみ可能なポータブルドローンの名機と言われる「Mavic Pro」の後継機種で、折り畳んだ時のサイズは214mm×91mm×84mmと非常にコンパクト。価格は「Mavic 2 Zoom」が本体のみで162,000円(税込)、Fly More キットで201,000円(税込)、「Mavic 2 Pro」が本体のみで189,000円(税込)、Fly More キットで228,000円(税込)となっています。
「Mavic 2 Zoom」と「Mavic 2 Pro」の違いは?
今回発表されたのは「Mavic 2 Zoom」と「Mavic 2 Pro」の2機種。では、その2機種の違いはどこにあるのでしょうか? その答えは「2倍光学ズームカメラ」と「ハッセルブラッドブランドのカメラ」にあります。
「Mavic 2 Zoom」は、2倍の光学ズームレンズを搭載したカメラを搭載しています。遠方からの撮影でも従来のモデルより被写体を大きく撮影することができるため、新しい使用用途が見つかるかもしれません。先日発売されたばかりのParrot のAnafi は、同じ効果を得るためにデジタルズームを使用します。それに対して「Mavic 2 Zoom」は光学ズームを備えているため、高い画質での撮影が期待できます。
「Mavic 2 Pro」は、Phantom 4 Pro のような1インチのセンサーを搭載しています。このカメラはDJIが買収した有名カメラメーカーの「Hasselblad」と共に開発されました。30fpsで4K、有効画素数は2,000万画素となっています。Phantom 4 Pro と大差ないカメラ性能になった上に携帯性が高いため、今後Mavic 2 Pro は空撮ドローンのデファクトスタンダードになっていくでしょう。
Mavic 2 Zoom | Mavic 2 Pro | |
カメラ | 光学2倍ズーム ロスレス4倍ズーム 24-48mm |
ハッセルブラッド D-Log撮影対応 28mm |
センサーサイズ | 1/2.3センサー | 1インチセンサー |
有効画素数 | 1,200万画素 | 2,000万画素 |
F値 | F2.8(24mm) F3.8(24mm) |
F2.8-F11 |
ISO | 静止画:100-3,200 動画 :100-3,200 |
静止画:100-12,800 動画 :100-6,400 |
動画 | 4K30fps 2.7K60fps FHD120P |
4K30fps 2.7K60fps FHD120P |
ジンバル | 3軸ジンバル | 3軸ジンバル |
「Mavic 2 Zoom」の特徴
「Mavic 2 Zoom」は、レンズの焦点距離が24~48mmの光学ズームレンズ(35mm判換算)を搭載しているドローン。1/2.3型CMOSを採用し、有効画素数は1,200万画素、絞りF2.8~F3.8、撮影範囲は0.5m~∞、動画撮影時のISO感度は100~3200となっています。
- 光学2倍ズームレンズ (24mm-48mm)
- 12 MP 1/2.3インチ CMOS センサー
- 48MP 超高解像度写真
- ロスレス4倍ズーム フルHD動画
- 空中からのドリーズーム撮影
- 中望遠撮影で、表現を豊かに
- ハイブリットオートフォーカス
光学2倍ズーム(24mm-48mm)を搭載しているため、クラシカルシネマのような圧縮効果のある絵作りが演出できます。
フルHD動画撮影時は、光学倍ズームレンズを含むロスレス4倍ズームが可能で、遠く離れた場所から被写体を拡大して撮影できます。
48MPの超高解像度機能も搭載。広角(24mm 相当の視野角)で写真する場合、カメラは望遠レンズで9枚の写真を撮影して合成することによって細部まで色鮮やかな48MP 超解像度写真を作成できます。
「Mavic 2 Zoom」に搭載されたクイックショット「ドリーズーム」は、まるで空間が歪んでいくような不思議な視覚効果で撮影が可能です。飛行方向とは逆方向にズームすることによって、背景だけが迫ってくるようなエフェクトを動画に加えられます。
「Mavic 2 Pro」の特徴
「Mavic 2 Pro」は、スウェーデンのカメラメーカーである「Hasselblad」のカメラ「L1D-20c」を搭載しているドローン。1型のCMOSセンサーを採用し、有効画素エリアは「Mavic Pro」の1/2.3型と比べて4倍と大幅に拡大しています。低照度環境下でも高画質な撮影が可能で、曇りの日でもクリアな絵が撮ることができます。有効画素数は2,000万画素、静止画撮影時のISO感度上限値は12800、動画はISOは100~6400となっています。
- Hasselblad L1D-20c カメラ搭載
- 20 MP 1インチ CMOS センサー
- 絞り調整 F2.8-F11
- 10-bit Dlog-M カラープロファイル
- HDR 動画
- 10 bit HDR 動画
刷新された1インチCMOSセンサーの有効検知範囲が前モデルのMavic Pro と比べて4倍になり、Phantom 4 Pro 相当の多くの光を取り込むことができるようになりました。これによって、優れたダイナミックレンジ/SN比/低照度環境下での性能を実現できます。
F2.8-F11の範囲で絞りを調整できるので、さまざまな光量環境下でも適正露出で空撮ができます。
Mavic 2 Pro は、10-bit Dlog-M カラープロファイルに対応。拡張されたダイナミックレンジにより、グレーディングルームでの作業の柔軟性が向上します。
4K 10-bit HDR(ハイダイナミックレンジ)に対応しているので、HLG(ハイブリッドログガンマ)方式に対応した4K テレビに接続し、カラートーンを正確に再現した映像をすぐに確認できます。
二機種共通の主な仕様
「Mavic 2 Zoom」と「Mavic 2 Pro」の目玉となる仕様はカメラ性能にありますが、他にも様々な機能や性能がアップグレードしているようです。
- 最大飛行速度72km/h
- 最大飛行時間31分
- 最大伝送距離8kmの1080p動画伝送
- リアルタイム2.4GHz/5.8GHz自動切替
- 低ノイズ設計
- 全方向障害物検知
- インテリジェント撮影モード(アクティブトラック2.0/クイックショット/パノラマ)
- ボタンタップだけで機能するハイパーラプス
- 低照度条件化での撮影用のハイパーライト
- 拡張HDR(ハイダイナミックレンジ)写真
また、進化したハイパーラプス機能も非常に魅力的です。
プロポはMavic Pro の送信機と同じものとなります。
結局どちらが買い?
今回発表された「Mavic 2 Zoom」と「Mavic 2 Pro」は、ポータブルドローンの名機である前モデルの「Mavic Pro」を持ってない方はもちろんのこと、持ってる方も間違いなく「買い」な新機種です。
悩ましいのは「Mavic 2 Zoom」と「Mavic 2 Pro」のどちらを買うか。ざっくり言ってしまうと、被写体から少し離れた場所からズームで撮影したい人やドリーズームのような面白い動画を撮りたい人は「Mavic 2 Zoom」、日照条件があまりよくないところでも適正露出でのクオリティの高い写真や動画を撮影したい人は「Mavic 2 Pro」というところでしょうか。
「Phantom 4 Pro を小型化した機体」という言い方や「Mavic Pro のカメラ性能を上げた機体」という言い方など、さまざまな例えでその性能が語られている「Mavic 2」。初期出荷の数も限られているようなので、気になる方はお早めに注文するとよいでしょう。