「ヘリコプターの日」に改めて考える、ドローンのすごさとは

4月15日は「ヘリコプターの日」だそうですが、みなさまご存知でしたでしょうか。
理由は、ヘリコプターの原理を世界で最初に考え出したレオナルド・ダ・ヴィンチの誕生日が1452年4月15日だったから、なんだとか。ダ・ヴィンチの遺した巻貝のようなヘリコプターのアイディアスケッチを、見たことがある方も多いかと思います。あのアイディアが今から500年以上も前に発想されたものだったなんて…そのひらめきに、ただただ驚かされてしまいますね。

中世の歴史的天才が夢を託したヘリコプターと、現代のわれわれが偉大なる可能性を感じ、ビジネスやエンタテイメントの夢をふくらませているドローン。今回はヘリコプターの中でも、私たちも操縦でき趣味として楽しむ方も多い「ラジコンヘリ」を切り口として、ラジコンヘリとドローンという「似た者同士」の接点を探りつつ、両者の違いやドローンの特徴を改めて考えてみることにしましょう。

ラジコンヘリとドローンの違いは「自律性」にあり

拡大を続けるドローンの世界と、そのドローンを操縦するパイロット人口。そんなドローンパイロットの中でも、特にドローン黎明期から活躍しているベテランの中には、「昔ラジコンヘリを飛ばしていた」という方が少なからず存在するようにお見受けします。

ラジコンヘリ、正しくは「無線操縦ヘリコプター(RCヘリコプター)」は、コントローラーを使って遠隔操縦するヘリコプター型模型航空機のことをさします。人が乗って飛行する、いわゆる普通のヘリコプターをそのまま小さくした形をしていて、細長い翼が1枚備え付けられており、これが回転することによって浮上するしくみです。筆者は、昔ラジコンヘリを飛ばしていた、という方に実際に何度かお会いしたことがありますが、皆さんたいがい「ラジコンヘリは操縦がとても難しい、高度なテクニックが必要」と口を揃えて言われます。そして、そうした方がドローンを操縦し、「ドローンの操縦はこんなに簡単なの!」と驚かれる場面にもしばしば出くわしました。

このラジコンヘリとドローンの操縦のしやすさを分けるもの、それが「自律性」です。ざっくり区分すれば、自律性のあるのがドローン、ないのがラジコンヘリなのですが、ここで言う自律性とは、「自分がいま・どこを飛んでいるか」を常に認識しながら、それを自分で調整できる能力のことです。ラジコンヘリはこの自律性が備わっていないために、パイロットが常に手動調整をし続けなければならず、これがさきの「操縦が難しい」につながる、というわけです。

一方のドローンは、この自律性を備えているために、地表からある程度の高さを保ちながらホバリング(空中の一点に静止し続けること)したり、出発地点に自動的に戻ってきたり(※1)することができます。

※1 機種により不可能な場合があります。またGPSの利用できない屋内等では不可能な場合が多いようです。

ドローンの自律性を支える高性能センサー

では、ドローンはなぜ、ラジコンヘリにはない自律性を備えているのでしょうか。その答えは、ドローンに装備されている各種のセンサーやGPS機器にあります。ドローンはジャイロセンサーや超音波センサー、GPSモジュールを標準搭載していて(※2)、センサー類を通じて取得したデータを常に計算し、それをもとに機体の姿勢を自動的に制御する処理を行っています。これは産業用ドローンや大型のドローンに限ったものではなく、機体重量が200g以下の、いわゆるトイドローンにも同じことが言えます。

※2 搭載されているモジュールは機種により異なります。

写真はフランスのドローンメーカー・Parrot社のトイドローン「Mambo(マンボ)」ですが、機体のおなか(飛行中に地面と対面する側)の部分に、小さな円形の部品が2つついているのが見えますよね。これがセンサーです。

網のように見える大きい方が超音波センサーで、超音波を発信し、その跳ね返りを計算することで機体の高度を制御する、いわば「耳」にあたるもの。その下の小さい方は、よく目を凝らすと極小のレンズがついているのが分かるのですが、これがカメラセンサーで、地面の画像を定期的に撮影しその差を比較することでフライト速度を決定している、いわば「目」の役割を果たすものです。

こちらのMamboはGPSには対応していませんが、この超音波センサー・カメラセンサーの他にもいく種類かのセンサーが搭載されていて、屋内であっても屋外であっても、場所を問わない安定したフライトをサポートしてくれています。

このように、たとえトイドローンと言えど、性能が簡略化された「おもちゃ」なわけでは決してないことが分かりますよね。ドローンはセンサー類や高度な計算機能を備えた、超高性能で精密なコンピュータ機器なんです。ですので、パソコンやスマートフォン、タブレットと同じように、強い衝撃を与えない、雨にあてない、水に濡らさない、など、大切に扱いたいものですね。などと言いつつ、筆者は家の中でトイドローンを飛ばして、愛猫の飲み水の中にドローンを「ポチャ」させる、なんていう経験も数知れずございますが…。

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ruby
埋田奈穂子/Naoko "Ruby" Umeda 慶応義塾大学商学部卒業後、大手通信企業に入社。以後、一貫して通信関連事業に従事。現在は総合コンサルティングファームにて、通信・メディア系企業を対象に、新規事業立ち上げやマーケティング改善、海外事業展開等の支援に携わる。主著「日米欧のスマートグリッド政策と標準化動向2010(インプレス社)」。趣味は旅行・料理・美術・ヨガ・剣道・ネコ等々。第三級陸上特殊無線技士。写真はプロジェクト従事のため2016年に半年間滞在したヤンゴン(ミャンマー国)でのひとコマ。「ドローンジョプラス」(https://www.drone-girls.com/)メンバーとしても活動中です!