【空撮ドローン比較1/3】「Phantom 4 Pro」~高いコストパフォーマンスを持つ万能機

2016年12月に発売されたPhantom 4 Proは、プロフェッショナルレベルの写真と映像を撮影するパワフルなドローンです。高解像度のカメラによって繊細な表現が可能で、微光下においても優れたパフォーマンスを発揮します。

Phantom 4 Proの特徴は、価格と性能のバランスがとても優れている点です。対角寸法35Cm、重量約1.4kgのコンパクトな設計でありながら、標準カメラだけで2000万画素の静止画撮影、60FPSの4 K動画撮影に対応しています。

DJI Phantom4 Pro

Phantom 4のカメラが1/2.3インチの有効画素数12.3メガピクセルCMOSセンサーを採用しているのに対して、Phantom 4 Proは1インチ20メガピクセルに拡大。そのサイズは1/2.3型の長辺が約6.2mm、1型は約13.2mmで、面積はPhantom4の約4倍にもなります。画素数が2000万画素と約1.6倍に増えていますが、その画素が並ぶセンサーの面積が4倍になったことで、1画素あたりのサイズを大きくできるため、より多くの光を取り込むことができ、結果として画質の向上を実現しています。

基本スペック

本体価格

20万4000円〜

重量

1.38Kg

最大飛行時間

30分

最大解像度

静止画:2000万画素

動画:4K(4096×2160)、60fps / 100Mbps

最大伝送距離

4km

障害物センサーの有効距離

15m

主な機能

  • DRAW
  • Return to Home
  • Active Track
  • Tap Fly
  • ジェスチャーモード
  • DJI GO
オススメ用途
  • テレビ番組などの空撮
  • Webサイト用の撮影
  • 室内での撮影

 

■ポイント

  • H.264、H.265圧縮に対応
  • 1インチセンサー、20メガピクセルのカメラ
  • 4Kmのビデオ伝送距離を達成
  • メカニカルシャッター搭載

持ち運びに便利な標準ケースや取り外しが容易なプロペラ

Phantom 4 シリーズの特徴として、持ち運びに便利な発泡スチロール製のケースが標準で用意されています。また、プロペラの着脱も非常に容易な点も見逃せません。

発泡スチロール製のケース
プロペラ接続部分

大きく増した安全性

安全性についても大幅な向上が見られます。機体側面に赤外線発光部と受光センサーを備えることで、機体上面を除く上下左右下面の5面に対して障害物を認識し、衝突を回避することができるようになりました。

Phantom 4は前方にステレオビジュアルセンサーを備えていますが、機体とカメラの向きが事実上同じになるため、例えば機体を後退させたり、左右にスライドさせたりしながら撮影するといった場合に、映像に注意がとられて機体の進行方向に注意が向かず、障害物に衝突する危険性がありまます。しかし、Phantom 4 Proではこうした、カメラが向いている方向=機体の前方以外に機体を進めるような撮影でも、障害物に衝突する可能性が低くなったと言えます。

動作テスト

ここからは、実機による検証の様子をお届けします。グレーのライトバンを被写体に用い、アクティブトラック(自動追跡機能)を使ったノーズインサークル、障害物回避機能による自動停止を検証しました。

検証1:ノーズインサークル

検証2:障害物検知

前方、左右のセンサーが障害物を検知。アラーム音で周囲に警告します。

検査③:飛行中の機体を相互に撮影すると?

Inspire2と相互に撮影
MATRICE 210と相互に撮影

まとめ

プロとしての空撮に必要な撮影機能や安全性を、20万円前後で手に入れられるという点は、Phantom 4 Proの大きなメリットといえるでしょう。

Inspire 2のX4Sと同等のカメラを標準搭載し、高級コンデジクラスの静止画や4K、60FPSの動画撮影を手軽に行えるようになりました。また、検証2でも確認できた通り、追加されたビジュアルセンサーや赤外線センサーが障害物をしっかりと認識し、機体を自動停止させています。

まずはドローンの世界に触れてみたい、空撮にトライしてみたいという方については、折りたたみが可能で携帯性に優れるMavic Proでも十分であるといえますが、プロとして本格的な撮影に臨みたい場合は、Phantom 4 Proの導入を強くオススメします。

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