水中ドローン事業を手がける株式会社スペースワン(本社:福島県郡山市)が『一般社団法人日本水中ドローン協会』(本社:東京都台東区、以下「同協会」)を設立し、6月1日にオープンした公式ホームページにて、会員と認定スクールの募集が開始されました。
同協会は、水中ドローンおよび水中ロボットの運用上の環境整備、発展、成長の促進と、水中ドローンのエキスパートの育成を通じた水中事業の発展を目的に掲げています。
ロゴデザインには、日本古来の吉祥紋である「青海波(せいがいは)」と、無人潜水機の操作に使われる無線LANのアイコンがあしらわれています。
青海波は、無数に広がる波紋のように未来永劫続く平安と繁栄への願いが込められた文様。水中ドローンの普及と正しい運用の継続によって、社会ひいては地球環境のより良き未来に貢献するという、同協会の理念が表現されています。
「海の産業革命」を支える人材育成を目指して
同協会は、設立の目的として下記の4つを挙げています。
- 新たな水中・海中ビジネスの主役となる水中ドローンのエキスパートの育成
- 水中事業の環境整備・発展・成長に挑戦
- 水中ドローン利活用の情報配信・課題解決・提言・研究
- 関係団体及び監督官庁等とのネットワーク構築
海に囲まれた日本は海洋国家といわれていますが、昨今は人手不足や原油高騰によるコスト上昇などが深刻化しています。省力化による生産力向上を図るため、水産業・水中事業におけるオペレータの育成、IT化は避けて通れない課題となってくるでしょう。
『ドローン元年』といわれた2015年から4年が経ち、驚くべきスピードで各産業での利用が広まるドローンですが、法律(航空法)や安全面、人材育成といった課題がまだまだ山積みであることは否めません。
同協会は、水中ドローンが日本の水産業や水中事業を支える大きな役割を担うという考えのもと、水中・海中ビジネスの先駆者となる人材育成をミッションに掲げています。そのひとつが、水中ドローンの安全な運用を行うための資格制度づくりです。
同協会は正しい知識と技術を持った人材を育成するために、「水中ドローン安全潜航操縦士」育成カリキュラムを2019年4月より全国で展開しています。
水中ドローン安全潜航操縦士 開催実績・予定
●2019年4月 福島開催
●2019年5月 和歌山開催
●2019年5月 埼玉開催
●2019年6月 和歌山開催(2回)
●2019年6月 埼玉開催
●2019年7月 福島開催 (予定)
座学・点検・操縦・応用を学び、水中ドローンを安全に潜航させる知識と技術が習得できます。
その他、新たな水中事業の可能性を創造するため、当協会では4つの「C」からなる事業展開を行うとのこと。
- Camp:人材育成
- Care:補修点検
- Certification:資格講習制度
- Creation:事業創造
水中ドローンの高まる需要、その未来に期待!
最近、かなりの頻度で「水中ドローン」という単語を耳にするようになりました。水中ドローンに関するニュースはDRONE MEDIAでもいくつか紹介してきましたが、日々その注目度が上がっているのを感じます。今年は令和元年&「水中ドローン元年」といっても過言ではないかもしれません。「海の産業革命」が起こる日もそう遠くはないでしょう。
海底や河川での調査、船や海洋設備の点検、水中作業やダイビング中の安全管理、水難救助など、水中ドローンが活躍できる場面はたくさんあります。今後の同協会の活動にも期待が集まりそうですね。