2018年の目標を考えたとき、「ドローンパイロットっていいかも!」なんて思っている方もいるのではないでしょうか?今回は、そんな未来のドローンパイロットを目指す方のために、全国のドローンスクールについてまとめてみました。各コースの費用から主要なドローンスクールの成り立ちまで、気になる情報を集めましたので、この機会に説明会の参加などを検討してみてはいかがでしょうか。
そもそも、ドローンスクールって?
自動車の免許のように、ドローンの飛行に必要な免許・資格は実は存在しておりません。しかし、空撮用をはじめとする重量200g以上のドローンについては改正航空法による規制が設けられており、国土交通省への煩雑な飛行許可申請が必要となります。そこで、安全な飛行を行うための技術と知識を得られるように、国土交通省の認定を受けた民間団体が独自の教材等を制作し、講習および資格の発行を担当しているのが現状です。日本全国に点在するドローンスクールは、いわば民間団体の加盟企業によるフランチャイズというわけです。
こうしたドローンスクールの修了証は、飛行許可申請に必要な「10時間の飛行実績」の証明書として活用できるほか、ドローンを使う業務に従事する際に「ドローンパイロットとしての最低限の知識・技術を習得した」という証明にもなります。また近年では、建設現場でのICT活用を推進する“i-Construction”を背景に、ドローンによる3次元計測などの専門技術がカリキュラムに取り入れられているスクールもあります。
下記に、主な認定団体について簡単にまとめました。
■DJIスペシャリスト育成プログラム技能資格(DJI)
DJIの日本法人である、DJI JAPAN株式会社が主催する操縦者向けの民間資格です。すでに10時間以上 のフライト経験がある法人または 個人事業主を対象とし、 DJI製ドローンの正しい知識や、安全な操縦が可能なパイロットを認定することを目的としています。2日間の「DJI CAMP」に参加し、座学・実技のカリキュラムを受講します。DJI正規代理店のセキドが中心となり、神奈川県横浜市のフライトフィールドをはじめ、全国で定期的に開催されています。
費用 |
期間 |
主な認定校 |
問い合わせ先 |
・受講費:60,000円 |
2日間 |
■操縦技能証明証、安全運航管理者証明証(JUIDA)
一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA)が発行する認定資格で、2015年10月に、日本初のドローン操縦士および安全運航管理者の認定制度として定められました。
必要科目を修了後、JUIDAが定める申請手続きを経て「JUIDA操縦技能証明証」が交付されます。また、操縦技能証明証を取得し、かつ飛行業務の経験を有するパイロットは、安全運航管理に関する基本知識やリスクアセスメントの科目を修めることで「JUIDA安全運航管理者証明証」を取得できます。
JUIDA代表理事である鈴木真二氏(東京大学大学院教授)が、日本の無人航空機に関する制度設計を国交省とともにリードしてきた経緯から、ドローンパイロットの認定資格として広く認知されており、国内のドローンスクールの大半がJUIDAの資格取得に向けたカリキュラムを提供しています。
費用 |
期間 |
主な認定校 |
問い合わせ先 |
・受講費:2~300,000円(税別)※スクールごとに要確認 ・申請費:①操縦技能証明証20,000円、②安全運行管理者証明証15,000円 |
3~4日間 |
■ドローン操縦士回転翼三級資格(DPA)
一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)が発行する資格です。ドローンの操縦技術について細かく等級化されている点が特徴で、主に操縦士資格とインストラクター資格に分けられます。DPAは、「ドローン操縦士の技術、技量の健全な発展を図り、航空の安全確保につとめ当該技術、知識の普及と諸般の調査研究を行うことを目的とする」という理念を掲げ、2016年6月に設立されました。これまで記載した団体の中では新しい部類となりますが、認定スクールである「ドローンスクールジャパン(DSJ)」は、すでに全国30ヶ所で展開されています。また、フライトフィールドの運営やドローン活用のコンサルティング事業などにも取り組んでいます。
・ドローン操縦士回転翼資格の対応表(出展:https://d-pa.or.jp/project/certification/)
リスク程度 |
回転翼航空機 |
各レベルの飛行による利活用の具体例 |
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操縦士 |
操縦士インストラクター |
|||
レベル1 |
目視内飛行(手動航行) |
ドローン操縦士回転翼3級 |
ドローン操縦士回転翼3級インストラクター |
・農薬散布 |
レベル2 |
目視内飛行(自動航行) |
ドローン操縦士回転翼2級(2018年春以降の開始を予定) |
ドローン操縦士回転翼2級インストラクター(2018年春以降の開始を予定) |
・精密農業 |
レベル3 |
無人地帯での目視外飛行(補助者の配置なし) |
ドローン操縦士回転翼1級(制度設計中) |
ドローン操縦士回転翼1級インストラクター(制度設計中) |
・離島や山間部への荷物配送 |
レベル4 |
有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(補助者の配置なし) |
制度設計中 |
制度設計中 |
・都市の物流、警備 |
費用 |
期間 |
主な認定校 |
問い合わせ先 |
・受講費::12~200,000円(税別) |
2日間 |
全国から厳選!注目のドローンスクール一覧
ここからは、初心者からビジネス目的のユーザーまで対応可能な、オススメのドローンスクールをご紹介します。
・ドローン大学校(東京、名古屋)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 |
最短14日間 |
・教習機つきプラン:400,000円(税別) ※上記とは別に、入校金90,000円(税別)が必要 |
東京、名古屋で展開している常設型のドローンスクール。各プランの内訳には教科書代、合宿時の食費・交通費、施設利用料などが含まれており、入校から最長6ヶ月間は学科・実技(合宿含む)・修了試験を追加費用なしで何度でも再受講できる。 |
・アマナドローンスクール(東京、千葉、神奈川)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
・JUIDA認定 ・DJI認定 |
2~3日間 |
・JUIDA総合コース:236,000円(税別) ・DJI CAMP 検定&特訓コース:99,800円(税別) |
株式会社アマナビ(アマナグループ)によるドローンスクール。JUIDA、DJIそれぞれの認定資格に対応したカリキュラムが用意されている。また、ビジネスユーザー向けの「ドローン空中写真測量基礎講座」(100,000円、税別)、「プロ空撮テクニック講座」などのコースも開講。 |
・日本ドローンアカデミー(北海道、東京、名古屋、大阪、沖縄)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 |
5日間 ※平日で連続受講する短期集中コースと、毎週末に受講するコースを選択可能 |
270,000円(税別) |
安全運行管理者講習では、i-Constructionに対応したカリキュラムも用意。修了生を対象とした1泊2日の空撮合宿も行われている。 |
・Dアカデミー(秋田、群馬、埼玉、東京、静岡、石川、大阪、和歌山、岡山、徳島、福岡、沖縄)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 |
4日間 |
270,000円(税別) |
JUIDA認定カリキュラムのほか、全国技士会の「継続学習制度」にも対応。「ドローン搭載赤外線診断セミナー」、「福井コンピュータ i-construction応用セミナー」など専門的な講座が充実。 |
・ドローンスクールジャパン(北海道、福島、宮城、静岡、茨城、岩手、埼玉、神奈川、千葉、東京、宮崎、愛媛、兵庫、愛知、大阪)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
DPA認定 |
2日間 |
・フライトコース:120,000円(税別) |
フライトコース終了後、習得しきれなかった技能に対する補習が1時間無料で行えるなど、初心者へのフォローが充実。 |
・DroneCamp(東京、愛知、愛媛、大阪、熊本、佐賀、福岡、鹿児島)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
DJI認定 |
2日間 |
60,000円(税別) |
ドローンパイロット派遣サービス「DroneAgent」の株式会社FLIGHTが運営するスクール。認定証取得のための「DJI CAMP」に加え、「企業導入向けカスタマイズ講習」を開講。空撮、測量、屋外施設点検など、導入事例に合わせた細かなカリキュラムを提供し、講師の出張にも対応する。 |
・国際航業株式会社(東京、福岡、兵庫)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 |
4日間 |
・初級コース:270,000円(税別) |
空間情報事業を手がける、国際航業株式会社による認定スクール。自社の3次元空間解析クラウドサービス「KKC-3D」を活用し、業務経験者向けの実践的なカリキュラムを設けている。中級コースでは、「UAV公共測量マニュアル」に基づく実務を体験可能。 |
・雪研ドローンスクール(北海道)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 |
2日間 |
230,000円(税別) |
座学を札幌市内で受講者可能。スクール受講者全員に、屋内用ドローン「GForce X300C」をプレゼント中。 |
・みちのくドローンスクール(青森、宮城)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 |
3~4日間 |
270,000円(税別) |
特別講習として、i-Construction対応の基礎、スキルアップコースを開催。10年・1000時間以上の操縦キャリアをもつベテランや、3次元計測の実務経験者が講師を担当する。 |
・Go Japan(群馬)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 「JUIDA 操縦技能認定取得コース」、「JUIDA 安全運航管理者取得コース」 |
1~2日間 |
・操縦技能認定取得コース:180,000円(税別) ・安全運航管理者取得コース:35,000円(税別) |
10時間の飛行実績取得のみを目的とする「JUIDA 操縦技能認定 実技練習コース」など、習熟度に合わせてカリキュラムを細かく選択できる。空撮、3Dスキャンなどの実技練習に加え、DJI正規代理店として自動航行用アプリ「GS PRO」の講座を開講。 |
・Mighty Wings 那須塩原ドローンスクール(栃木)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 「JUIDA操縦技能証明証取得コース」、「JUIDA安全運航管理者証明証取得コース」 |
2~3日間 |
・操縦技能認定取得コース:170,000円(税別) ・安全運航管理者取得コース:40,000円(税別) ※上記を同時取得する場合は、190,000円(税別) |
JUIDA認定資格のための講座に加え、空撮映像制作のベテランによる「空撮プロコース」(3日間27,0000円)などが開講中。講師陣には農家や猟友会メンバーも在籍し、農薬散布や害獣駆除への利用についてアドバイスを受けられる。 |
・FUTABAドローンスクール(千葉)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 「操縦技能証明+安全運航管理者 総合取得コース」 |
5日間 |
350,000円(税別)
|
ベテランRCパイロットによる、少人数制の密着型講習が特徴。実機の前に、シミュレータソフト「REAL FLIGHT」による導入練習からスタートできる。法人申し込みの場合は、キャリア形成促進助成金の対象として申請可能。 |
・デジタルハリウッドロボティクスアカデミー(東京)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 「ドローン専攻エントリープログラム」、「ドローン専攻JUIDAライセンスオプション」 |
1~30日間 |
・エントリープログラム:160,000円(税別) ・JUIDAライセンスオプション:10,000円(税別) |
JUIDA認定スクール第1号として発足した経緯を有し、これまで180名以上の卒業生を輩出した。映像教材による自宅でのオンライン学習システムや、グループワークでフライトプランを立案するなど、教材・カリキュラムの独自性が高い。 |
・JAAドローンパイロットスクール(北海道、山梨)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
無人航空機操縦技能証明、用途別飛行証明(航測) |
6日間 |
・自家用コース:216,000円(税別)※学割適用で164,000円 ・事業用コース:256,000円(税別)※自家用コースと同時取得の場合は200,000円 |
航空業界へ多くの人材を輩出してきた、日本航空学園が運営。安全性を重視した実践的なカリキュラムを提供する。厚生労働省の「キャリア形成促進助成金」や、学生割引を適用可。 |
・ドローンスクールNDMC(静岡、長野)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 |
3~5日間 |
・初心者向けコース(5日):330,000円(税込)※安全運航管理者資格の取得には別途受講が必要 ・プロフェッショナル向けコース(3日):198,000円(税込み) |
静岡、浜松、沼津など静岡県内を中心にスクールを展開。ドローンスクールのほか、UASの研究開発・運用事業も行っている。 |
・一般社団法人 関西ドロ-ン安全協議会(大阪、奈良、滋賀、京都)
講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 |
3日間 |
230,000円(税別) |
近畿圏で広くスクールを展開する。JUIDA認定資格の取得に加え、i-ConstructionのためのCIM導入基本講習「3次元データ化カリキュラム」を受講可能。 |
・一般社団法人 ドローン撮影クリエイターズ協会(京都、兵庫、福岡)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 |
3~4日間 |
・Aコース:260,000円(税別)※DPCA非会員は270,000円 ・Bコース:200,000円(税別)※DPCA非会員は210,000円 |
JUIDA「操縦技能証明証」・「安全運航管理者証明証」を目指すカリキュラムに加え、空撮カメラマンによる「DPCA空撮カメラワーク講習」を独自に開講。また、修了生限定のフォローアップ講習会も開催されており、インストラクターから直接指導を受けることができる。 |
・一般社団法人UAS多用推進技術会(兵庫、徳島)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 「操縦技能スクール」、「安全運行管理者スクール」 |
4日間 |
・操縦技能スクール:150,000円(税別) ・安全運行管理者スクール:50,000円(税別) |
兵庫県内ほか、徳島県那賀町にスクールを展開。講師陣に土木施工管理技士、測量士、GISの企画者などが多数在籍する。i-Construction対応の「i-Con測量コース」、「i-Con設計施工計画・検査コース」(各50,000円、税別)が受講できる。 |
・ドローンビジネスカレッジ南紀白浜校(和歌山)
主な講習内容 |
期間 |
費用 |
備考 |
JUIDA認定 「操縦技能・安全運行管理者コース」 |
2日間※合宿 |
・210,000円(税別)※宿泊費含む |
クオリティソフト株式会社IoT事業部が運営するドローンスクール。リゾート地での合宿による短期集中受講をコンセプトとする。JUIDA認定資格取得のための講座に加え、i-Construction対応の「測量一般コース」(50,000円、税別)や赤外線カメラを搭載したドローンによる「太陽光パネル点検コース」(80,000円、税別)などが受講できる。 |
まとめ
いかがでしたか?
認定資格は、ドローンパイロットとしての最低限の知識・技術を保障するためのもので、ビジネスへの活用を考える場合は、別の分野の知見や実績(空撮ではカメラ、測量では積算など)が必要なのが実情です。しかし、初心者からドローン運用の基礎を効率的に学びたいという方には、ドローンスクールの受講は非常に有用といえるでしょう!
本記事を参考にされた方が、未来のドローンパイロットとして“飛び立つ”ことを熱望します。