西伊豆というと、皆さんはどんな場所を想像するでしょうか。
静岡県伊豆半島の西側、海に沈む夕日を見られる地域で、風光明媚なたくさんのポイントがあります。
多くの絶景が期待できる理由は、海岸線の複雑な地形にあります。入り組んだ海岸は、崖、砂浜、ユニークな形の島などの様々な顔を持ち、見る人がどこからその場所を望むかによって、同じ場所でも異なる顔をいくつも見せる。そんな西伊豆は、ドローンの空撮においてもまた、自然の景色でありながら、様々に変化する被写体としてその魅力を提供してくれているのです。
今回は、西伊豆地域の中でも、南伊豆に近い松崎町をご紹介しましょう。
ドローンで撮影したい被写体の宝庫でもある西伊豆。松崎町では、雲見海岸、烏帽子山、千貫門と観光名所が続きます。
夫婦岩の間から富士を望む
雲見海岸から富士山を望むと、間に夫婦岩があります。(牛月岩とも呼ばれています。)
海岸から距離にして約500m。海、空、雲、船、夫婦岩、そして富士山と、小さな海岸ではあるものの、役者が揃って待ち構えている、そんな舞台になっています。
写真は、早朝の雲見海岸。日の出直後の時間帯です。埠頭に夫婦が寄り添って、雲間から出てこようとしている富士山の出現を、今か今かと待っている。その姿が夫婦岩の風景と重なり、寄り添い支え合う夫婦愛を表現している、そんなふうに感じて、Phantom4Proを離陸させてパチリ。ご夫婦も写真撮影に笑顔でご協力いただき、何とも思い出深い1枚となりました。
【雲見海岸】 ●早朝の日の出直後、運が良ければ、朝日を受けて薄赤に染まる富士山が絶景 ●漁船が夫婦岩を回って港に帰ってくるところを追うのもグッド
古事記に記された、烏帽子山の悲しい逸話
雲見海岸の左手には、烏帽子山という標高163mの山があります。
逸話では、この山は富士山と姉妹であり、お姉さんになります。妹の富士山があまりにも美しいため、嫉妬のあまりこの岩山に隠れてしまいました。優しい妹は、姉を毎日毎日背伸びして探したため、益々背が高くなり、美しくなったそうです。
そのため、烏帽子山で富士山を褒めると、雨が降るというそんな逸話も。本当かどうかは試してみないとわかりませんが、もし本当なら空撮できなくなるのでやめておきましょう。
この烏帽子山の山頂から、ドローンを離陸させると、絶景を撮影できます。北には遠く富士山を望むことができ、また南には下方に千貫門を見下ろせます。
標高163mですので、海側の崖の上空を飛ばすと高度超過になります。山の稜線をなぞるように飛行させると良いでしょう。山頂は離陸スペースがありませんので、ハンドリリース、ハンドキャッチになります。補助者に手伝ってもらって離陸・着陸を行ってください。
【烏帽子山】 ●500段の石段を登って頂上まで行くと、ドローンを飛ばすまでもなく絶景! ●頂上付近は狭い上に、登山客も来ることがあるので、人には十分注意!!
一度はくぐらせてみたい、自然が作った巨大な門・千貫門
最後は、烏帽子山からも見下ろすことができた千貫門です。
海底火山の活動でできた大きな岩の中央を、長い年月をかけて波が削り、大きなトンネルとなりました。千貫文出しても見る価値のある場所、ということで、千貫門、と呼ばれます。
こうしたトンネルや洞窟を見ると、やはりドローンで通過したくなる衝動に駆られます。
非常に大きな穴なので、正面に立って電波状況を可能な限り良好に保てば、通り抜けは比較的難しくはありません。ただし、やはり万一にもロストすることに備えて、実行するかは慎重に判断してください。
【千貫門】 ●ぐるっとノーズインサークルで撮影するのもグッド! ●近くの岩場に海鳥の巣があり、時々、海鳥が警戒して威嚇してくるので注意!
いかがでしょうか。今回は、西伊豆の松崎町の空撮スポットをご紹介しましたが、この西伊豆エリア一帯が絶景の宝庫です。
まだまだたくさんの空撮スポットがありますので、次回以降もご紹介していきたいと思います。
この松崎町で空撮するなら、雲見温泉での宿泊がもっとも便利でしょう。雲見海岸が目の前ですので、翌朝、日の出とともに空撮できます。
ぜひ、訪れてみてください。そして、あなただけの絶景の1枚を切り取ってみてください。
それでは、次回もよろしくお願いします。
【ご協力・連絡先】
松崎町役場、松崎町観光協会、株式会社富士空撮サービス