ドローンクルーズ:万里の河・最上川を下る[山形県戸沢村・最上峡芭蕉ライン下り]

■五月雨を集めて早し最上川

松尾芭蕉の奥の細道には、山形県を訪れた際に詠まれた句が多く収められています。そのうちの有名な句がこの表題の句です。
最上川は三大急流の河としても知られています。

最初に芭蕉が詠んだのは、
「五月雨を集めて涼し最上川」
だったのですが、そのあと実際に船に乗り、その急流を味わって慌てて「涼し」を「早し」に変えた、と言われています。

この急流も含めて、最上川流域の美しい景観を、私たちも船で下りながら楽しみます。もちろん空撮もします。

船は25名ほど乗れる屋形船のような船で、船頭さんのガイドを聞きながら、船長の舵さばきで下っていきます。

■離陸も着陸も、基本はハンド

離陸も着陸も、基本はハンドで実施します。
船自体も揺れるので、補助者にリリースとキャッチを任せます。
風、船の速度、揺れなどに注意しながら、船上空にドローンを持っていき、船を追うような形で飛行させます。

今回撮影した日は、残念ながら曇り。時折激しいにわか雨が降る天候で、天気の変わり目を早めに予測しながらのフライトとなります。
そんな天候なので、河の水も土色に濁り、残念ながら美しい景観としては見栄えのしない絵となっているのですが、それでもせっかくか機会ですので、しっかり撮影を敢行しました。

■飛行速度を船に合わせる

見事に船の上空に機体をあげたら、船に置いていかれないように前進し、船との距離をキープします。船の速度は意外に早く、また川下からの風の力もありますので、全速前進で船を追います。
船の映像を入れつつ、慣れてきたら周囲の絵も入れて撮影します。

■川下りは注意点がいっぱい

河の途中に2箇所ほど、電線があるので注意です

河岸から、河中央の中洲へ電気を届けるための電線は、ちょうどドローンが引っかかりやすそうな、高さ15mから20mほどに貼ってあります。補助者の目視を参考に、うまく電線を避けるか、電線に来るまでに機体を回収してください。

天候的な変化には敏感になりましょう

冷たい風が吹いてきたら強いにわか雨の可能性があります。早めに降ろしましょう。ランディングは、補助者のハンドキャッチで行います。

同時飛行機体数と制限時間にも注意

今回お世話になった、「最上峡芭蕉ライン下り」は、古口港から草薙港まで約1時間で下ります。その間に、全員が1フライトできるように割り振ると、せいぜい、1人当たり10分から15分というところです。うまく交代してフライトします。同時に2機の飛行も可能な気もしますが、安全を考えると1機ずつが良いかと思います。

周囲の温泉宿には要注意

草薙港近くまで来ると、右手に白糸の滝があります。この滝もなかなかの見応えですので、是非とも撮影対象としたください。
ただし、もう少し行くと左岸に温泉宿が数件あり、露天風呂がありますので、そこまで来る前にドローンは降ろします。

最上川の景観もさることながら、ガイドさんの豊富な知識からの語りもまた、こうした舟下りの楽しみでもあります。
映像では、ガイドである船頭さんの歌声をバックミュージックにして編集してみました。


是非、景色と歌声とで、最上峡がどんな場所かを想像しながら視聴してみてください。
そして、次は、皆さんも最上川ライン下りからの空撮を楽しむ側となりましょう。

ライン下りの映像です。