【ドローン活用アイデア】技術の断片を組み合わせる

出典:http://web.media.mit.edu/~amitz/Design/Entries/2008/9/22_THE_FLYING_SPEAKERS.html

ドローンはその形状からもなんとなく最先端技術の塊のような印象を受けますが、実際にはそういうワケでもありません。

例えばそれはLi-Poバッテリであり、6軸ジャイロ(注)であったり、GPSであったり、2.4G通信であったり…。「既に実用化されている技術」をうまく組み合わせて「まだ実現していない何か」を作る、そのひとつの回答がドローンなワケです。

出典:http://www.aliexpress.com/item/Free-Shipping-CJMCU-116-MPU-6500-Module-Integrated-Gravity-6-axis-Gyro-Accelerator-Module-SPI-IIC/1547742508.html
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注:日本語で「6軸ジャイロ」という表現をたまに見かけますが、我々は3次元世界にいるので軸は全部でXYZの3つです。残りの3つは時間軸やパラレルワールド等ではなく、その3つの軸に対する加速度センサです。語弊がありつつも6軸ジャイロと表現しているようです。

というコトは逆に、ドローンに使われている(またはこれから使われそうな)技術は他の何かでも使えるというコトです。元々Li-Poバッテリは携帯電話のおかげで普及と低価格化が進んだものをドローンに使う。その逆となると例えばジャイロや2.4Gを組み合わせた別の何か、というコトになります。

出典:http://www.clynemedia.com/CTD/RyanMcFadden/CTD_RyanMcFadden.html
出典:http://www.clynemedia.com/CTD/RyanMcFadden/CTD_RyanMcFadden.html

ところで筆者は音楽家なのですが、一番困るのが「聴く環境」なのです。簡単に言うと正しい音が聞こえないと正しい音を製作できない、という原理で問題が発生するのです。

最高級のスピーカを買ってきたとしても、それを部屋に設置して正しい音にするには「位置」「高さ」「向き」「スピーカ間の距離」「スピーカスタンドの材質」「部屋の形状」「壁の材質」「天井の材質」「床の材質」といった要素が絡んできます。

出典:http://www.pluton.jp/HTM/azteca_tuning.html
出典:http://www.pluton.jp/HTM/azteca_tuning.html

こういった要素をある程度ドローンの技術で解決できないか、と思うのです。

スピーカ本体に小型超音波測定器を付けて3軸全ての方向からの反射音を測定します。それを基に左右のスピーカから出た音の反射が同じになるように位置決め。シンメトリになっていないと見た目にも使い勝手的にも悪そうなので、そこは左右のスピーカで相互通信しながらうまく合わせていきます。

こんな感じで調整できたらとてもいい環境になり、セッティングも大幅にラクになります。さらに、ドローンでは遠隔操作やサーボなんかも使われています。

つまり、大ホールでのライヴにおいて、各席でなるべくベストな音になるようなセッティングをすぐにできる、というコトです。セッティングはコントロールルームからリモコンを操作するだけです。

出典:http://www.ambiophonics.org/papers/AES111a.html
出典:http://www.ambiophonics.org/papers/AES111a.html

実はこれと似た様な技術はご家庭用からプロの大ホール用まで既に存在しています。ですが音楽家が考えた音楽家のための機材ですので、たしかに音は最高ですが操作性や近未来感、ロマン等の部分でドローンにはまだまだ及ばないのです。

音屋側から見た「既に実用化されている技術」とドローン側から見た「既に実用化されている技術」を融合するコトで、さらに素晴らしいものになっていくコトでしょう。

たまたま筆者が音楽家なのでこういう方向でのアイデアになりましたが、他の分野でもこういった技術の融合による進化の可能性はいくらでもあります。様々な分野の技術を融合してドローンが誕生したように、です。