2018年2月9日(金)の夜に開催された平昌オリンピックにて、インテルが1,218機のドローンによる光のショーの演出を実施しました。
細かい説明の前に、まずはインテルが発表した公式動画をご覧ください。特に1:50あたりからのシーンは圧巻です。
インテルのドローン群集飛行の取り組み
インテルはこれまでに、今回も使用された「Shooting Star」というドローンを使ったライトショーをオーストラリア、ドイツ、オーストリア、メキシコ、シンガポール、アメリカなどで開催してきました。
なお、日本では2017年7月22日~8月5日まで、ハウステンボスにて同機300機を使ったライトショーを開催しました。
http://www.huistenbosch.co.jp/event/drone-light-show/
また、2017年2月にスーパーボウルのハーフタイムに行なわれたLady Gagaによるイベントでも、インテル製のドローン300機による演出が行われ話題となりました。
平昌オリンピック開会式で実施されたドローンによる演出
今回の平昌オリンピック開会式で実施されたショーで使用されたドローンは、これまでの300機の約4倍にあたる1,218機。使用された「Shooting Star」は全長約30.5cm、重さ約227gのクアッドコプターで、事前に定めた軌道に従ってそれぞれの機体が自動航行できる仕組みとなっています。
当初の予定では、平昌オリンピックの開会式でリアルタイムにショーを行う予定だったようですが、直前に緊急事態が発生し、急遽事前に収録した映像を流すことになったようです。しかし、インテルの発表によると、平昌オリンピック開催期間中の夜間のメダル授賞式にて再びショーを行う予定があるとのこと。
平昌オリンピックにおけるドローンを使ったショーの実現は、技術者の中でも多くの注目を集めております。平昌は夜間にマイナス10℃以下にまで下がることもあり、ドローンで一般的に使われているリチウムイオン電池(寒さに弱い)にとっては非常に過酷な環境となります。また、激しい突風など天候自体が荒れやすい地域と言われており、事前に収録さえた映像とは言え、今回ような群集飛行システムを正常に動かせたこと自体が快挙と言って良いでしょう。
ドローンによる演出の内容
インテルによって発表された映像では、「五輪マーク」「鳥のはばたき」「スノーボーダーの動き」など、多彩な演出が確認できます。
今回の平昌オリンピックの開会式でのドローンの群集飛行を使ったショーの実現は、まさに「空のディスプレイ化」を世界中に知らしめた記念碑的な出来事と言えるでしょう。今後、さまざまなイベントにおいて、「空を表現メディア」として捉えた「空を使ったエンターテインメント」が多数実現されてくるのではないでしょうか。