テラドローンがドローンの運行管理事業に進出 欧州企業と提携し世界戦略を展開

ドローンを使った土木測量事業を展開するテラドローンが、ヨーロッパでドローンの運行管理サービス(UTM:UAV Traffic Management)を提供するベルギー企業のUnifly社に約5億円を出資し、アジア・太平洋地域にてドローンの運行管理サービスの事業を新たにスタートさせることを発表しました。

テラドローンが運行管理サービスに進出する理由

テラドローンの今後のドローン事業展開
テラドローンの今後のドローン事業展開

会見の冒頭でテラドローンの徳重徹社長は「このサービスができて、ドローンは初めて産業になる」と語り、ドローンの運行管理の重要性を強調しました。今年3月にスタートした土木測量の事業は、大手ゼネコンを含む10社を超える企業と契約を結ぶなど順調に立ち上がっているとのことで、今回の投資によって中長期の成長を目指していくことになりそうです。

また、日本のドローン業界は土木測量や農業など産業別のアプリケーション分野では世界的にも進んでいるものの、そのプラットフォームにあたるUTMの分野では出遅れているということで、日本国内だけで取り組むにはリスクが高いとの判断が、今回の出資につながったようです。

テラドローンがUnifly社と提供するUTMのUIイメージ
提供するUTMサービスのUIイメージ

テラドローンから出資をうけたUnifly社はヨーロッパ各国でのサービス展開を強化、テラドローンがアジア・太平洋地域でのサービス展開をすすめることで、役割分担しながら世界的な競争に勝ち残っていけるサービスの実現を目指すとのこと。東南アジアで急成長を遂げた日本発の電動バイクベンチャー「テラモーターズ」の経験を活かしたグルーバル展開が期待できそうです。

日本におけるドローンの運行管理の現状と未来

設備点検や農業、運送など、ドローンが様々な産業分野で利用されるようになるためには、飛行機やヘリコプターと同じような航空管制の仕組みが必要になると言われています。いわば、空にドローン専用の道を作ることによって、様々な役割を担うドローン同士が衝突することなく自律飛行できるようになり、効率的にドローンの事業を遂行できるインフラが整うことになります。

日本では規制もあって今のところは目視内飛行が原則ですが、2020年頃にはドローンの遠隔操作や自立飛行を普及させることが計画されていて、産学官が連携しながらインフラ整備を進めていこうとしています。

今後少しずつ規制は緩和されていく見通しで、テラドローンもまずは国内外の通信キャリアとも連携してのSIMを使った実証実験を計画、1年程度のスパンでサービスの開始を目指していくようです。

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