Liberaware、屋内空間点検用ドローンのレンタル事業を開始。点検作業の負担軽減へ

産業分野に特化した小型産業ドローンの開発を行う株式会社Liberaware(本社:千葉県千葉市、以下「Liberaware」)は、2019年4月上旬より屋内の狭所空間で利用できる点検用ドローンのレンタル事業を開始すると発表しました。

作業者の精神的負担軽減、点検の質向上に

「空の産業革命」といわれるドローンは、「エアモビリティ社会」の実現に向けたロードマップが政府で閣議決定されるなど、ますます注目を集めています。

中でも床下や天井裏・配管路等屋内の狭所空間で利用できる小型点検用ドローンの需要が高く、ドローンの活用により、これまで人の手によって行われていた巡視業務の省力化や、人の立ち入りが制限される地域の点検作業の実施、作業者の精神的負担軽減および点検の質向上などの効果が見込めます。また、インフラ設備のデータ収集にドローンなどのデジタル技術を活用することで、老朽化への対応や防災・減災への効果が期待されています。

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一方、高機能のドローンは高価かつ国交省への利用申請が必要な大型のものに限られており、導入の障壁が高いことが現状です。

今回発表された超小型ドローンのレンタルサービスは、そういった問題解決の一手となりうるものです。大きな特徴は以下の3つです。

1.狭く、汚く、危険な場所で、作業員の代わりに点検作業が遂行可能。

 手のひらサイズの超小型ドローンによって、作業員の換わりにプラント内部や高所等の人が行きにくい場所の状況把握が可能となり、足場を組む等の作業を削減でき、それに伴う肉体的負荷の軽減にも貢献します。

2.点検業務の工数を大幅に削減可能。

 点検データのクラウドストレージ管理ができます。また、撮影した映像からのパノラマ化、設備の3Dモデル生成もワンストップで行えるため、従来の点検業務の工数を大幅に削減可能です。

3.経年変化が把握可能。

 過去に撮影した同じ点検場所の映像を時系列で管理することで、経年変化を把握することができます。これによって、劣化箇所の交換/修理の見通しも可能となります。

ドローンの機体貸与・操作撮影を行うのはLiberawareと提携する専門の代理店。点検者の負担の軽減も実現します。

サービスは3つのプランに分かれており、点検の規模や内容によって選ぶことができます。

<サービスレンタルプラン>

Lite

1日だけ点検。サポートならびにテクニカル機能は有償で利用可能

Standard

複数機体のレンタルならびに点検(月間契約)

機器・テクニカル機能はオプションとして有償利用可能。サポートは無償

Pro

複数機体のレンタルならびに点検(年間契約) 。全ての機能を無償利用可能

<点検の手順>

1.ユーザーが点検したい施設で、ドローンを飛行

2.ドローンは飛行中の映像を機体内部に保存

3.映像を専用端末経由でクラウド上へアップロード(テクニカル機能)

4.クラウド上で映像を加工し、パノラマ画像や3Dモデルを作成する(テクニカル機能)

5.蓄積された映像データをAI解析し、劣化状況を判断する(※)(テクニカル機能)

※継続的に撮影データをクラウドに保管することで利用可能。

Liberawareは本事業を通じて、小型産業ドローンの普及によるプラント・インフラメンテナンスの効率化および質の向上など社会課題の解決に貢献していくとのことです。

ドローンを活用した点検作業の需要が高まる一方で、点検者の高齢化や人手不足といった課題はまだまだ山積みです。今回のサービス開始によって、点検作業がよりスムーズで身近なものになることが期待されますね。