ドローンで町おこしを進める那賀町が自治体初の「ドローン推進室」を設置

ドローンの先進的な活用事例でこれまで何度もニュースに取り上げられてきた徳島県那賀(なか)町に、4月から新しい部署として「ドローン推進室」が設置されます。実証実験の取り組みを強化しながら日本全国に那賀町をPRするのが狙いで、「ドローン」という言葉が入った自治体の部署としては全国初の事例になりそうです。

今回は、そんな那賀町のドローンに関する取り組みをまとめてみました。

 

那賀町で行われたドローンによる実証実験

那賀町林業実証実験
出典:ナカ町おこしドローンラボ(林業架線におけるドローンを活用したリードロープ架設実験)
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人口減少や高齢化が進む地域の課題解決にドローンを利用していくことを決めた徳島県は、官邸落下事件のすぐ後の2015年5月に、県内の産学官の代表者35名で構成される「徳島県UAV活用検討会」を設置しました。そして、その数か月後には徳島版の地方創生特区として那賀町をドローン特区に指定し、実証実験を次々と成功させています。

林業の木材運搬用ロープを張る実験(2015/12)

木材運搬用のワイヤーロープを架け渡すための釣り糸(リードロープ)の引き回しにドローンを使う実験を実施。約130メートルの間を2分ほどで往復し、釣り糸を張り渡すことに成功。作業員が山を上り下りする手間を減らす効果が期待されています。 

 http://www.news24.jp/articles/2015/12/02/07316372.html

過疎地の高齢者向けの食料品の輸送実験(2016/2)

国土交通省による貨物輸送実験を、ドローンによる宅配サービスの事業化を目指しているMIKAWAYA21と共同で実施。離着陸のみ手動で、それ以外はプログラミングによる自動飛行でパンや牛乳、卵などの荷物を約500メートル飛行輸送することに成功しています。

 http://www.sankei.com/west/news/160224/wst1602240067-n1.html

新しい取り組みには慎重な自治体が多い中で、着手からわずか1年足らずでここまでの成果をあげていることは特筆すべきものがあると思います。

 

ドローンの普及に向けた地道な取り組みも実施

ドローン1日体験プログラムin木沢
出典:ナカ町おこしドローンラボ(ドローン1日体験プログラムin木沢)

ニュースになるような派手な実証実験だけではなく、地域住民を巻き込んでいく地道な活動も行っているのも那賀町の特徴です。町内の各地区で「ドローン1日体験プログラム」が定期的に開催されていて、地域住民のドローンへの理解を得ながら、操縦者のすそ野を広げようとしています。

そして、このような日常の活動はFacebookのナカ町おこしドローンラボでリアルタイムに情報発信されています。

また、10月6日を「とくしまNAKAドローンの日」と定めた条例が町議会で可決されるなど、あらゆる手を使って地域全体でドローン普及に向けた機運を高めようとしています。

 

気になる今後の取り組みは?

飛行制限のご案内
出典:ナカ町おこしドローンラボ(飛行制限の案内板を設置する様子)

那賀町では、ドローンの空撮に適した場所を紹介する「マップの制作(テスト版はすでに公開中)や看板の設置」、「鳥獣害対策のための夜間空撮実験」、「実証実験のアイデアを出し合う企画会議ドローンソンの開催」など、ドローン推進室を中心に他の自治体に先んじた先進的な取り組みをこれからも続けていくそうです。

また、4月20日から幕張で開催される「国際ドローン展」に出展するそうで、町おこしや観光にドローンの利用を考えている関係者には見逃せない展示になりそうです。

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JAPAN DRONE 2016で那賀町のPRをする地域おこし協力隊員の喜多氏。(写真右)

過疎化が進み人口密度も低いという地域のマイナス面を逆手にとって「ドローンを最も活用する町」を目指す徳島県の那賀(なか)町。地域再生の成功モデルになって全国各地でドローンによる地域おこしが始まれば、東京一極集中の流れにも少し変化が現れるかもしれません。