Drone Meetup Osaka Vol.4 ~DJI JAPAN 創業メンバー 丸川英也氏 講演会~レポート

2018年5月24日(木)の夜に、DRONE MEDIA主催で「Drone Meetup Osaka Vol.4」が開催されました。今回は関西大学 梅田キャンパスとの共催によるコラボイベントという形で実施。ゲストによる講演会、ライトニングトーク、ドローンの展示、交流会(飲み物・軽食あり)など、大いに盛り上がったイベント当日の様子をお伝えします!

DJI JAPAN 創業メンバー 丸川英也氏による講演

今回のミートアップは、前半に講演、後半に交流会という形式。メインとなる講演では、DJI JAPAN 創業メンバーで現在は関西でドローンエバンジェリストとして活動している丸川英也氏にお話をいただきました。

丸川英也氏は、2013年8月に DJI JAPAN 呉社長と共に創業メンバーとして日本法人を立ち上げ、日本のドローン業界を牽引してきた業界キーパーソン。DJI JAPAN 立ち上げから本社のある深圳駐在を経た後に帰国。日本でのマーケティング業務に従事した後に先日退職されて、現在はドローンの普及啓蒙活動に尽力されています。

講演の冒頭で、丸川氏によると、「現在のドローン業界は産業発展のサイクルのようやく1周目が終わった段階」とのこと。その1周目はプロダクトの進化で、現在の2周目はそのプロダクトを使ったソリューションの進化段階。「DJIもマイクロソフトと提携して開発基盤はより充実してきている」という業界背景を解説しながら、「2周目でどんなソリューションサービスが生まれてくるのか、ワクワクしますよね!」と熱く語られていました。

その丸川氏はDJI JAPAN 創業メンバーという輝かしいキャリアを背景に、現在はドローンの普及啓蒙を行う「ドローンエバンジェリスト」として関西圏で活動中。

その活動指針として、「ソリューションサービス開発の促進」「安全に運用できる人材の育成」「一般社会のドローンリテラシー向上」という3本の柱を掲げており、「ドローンが一般社会に受け入れられるため、もっと一般の人たちにドローンを知ってもらうことが大切」だと語られていました。

明石のマンションの一室からのスタート

現在は100名を超える大所帯となったDJI JAPAN ですが、創業当時の2013年スタート時は、兵庫県明石市のマンションの1室から3名で始まったとのこと。元々京都に本社があるオムロンの同僚だった呉社長と丸川さんが、ドローン事業の遂行と飛行環境の条件からチョイスしたのが明石市の海岸沿いのマンション。当時の日本市場の状況として、まずはアフターサービス環境を作ることが必要で、それに加えて展示会への出展業務を会社に寝泊まりしながらこなしていたとのこと。

プロダクトで言えば、Phantom 1が出てホビー業界で騒がれだした時期で、「当時はカメラが標準で付いていなかったので、GoPro用のジンバルを付けるために、はんだつけで配線している人がいるような時代でした」と当時を懐かしみながら、「アフターセンターを開設してまもなく修理品はどんどん増えていき、マンションタイプの部屋に入りきれないということで、すぐに広いところへ引っ越ししました」ということで、明石の倉庫を手作りでリノベーションしたオフィスへ移転。

その後、首相官邸への墜落などの事件がありながらも、ドローン市場の急速な発展を受け会社は急成長。お台場SOHO、お台場トレードピア、品川シーズンテラスと次々と移転を行いました。「あっという間の5年間でしたが、気がついたらDJIはワールドワイドで12,000人の社員を抱える大企業になっていました」と語り、「現在はGoogleやTeslaなどと並ぶイノベーティブな企業として世界中で評価されている」とのことでした。

丸川氏の強みはDJI 本社上層部との信頼関係と現地と現地スタッフとのコネクションにあり、また深圳駐在時代は政治関係者をはじめ、サッカー日本代表の香川選手などの要人のアテンドも数多くこなしていたそうです。その経験から今後はドローンエバンジェリストとして、ドローンの啓蒙普及活動を行うとともに、異分野とドローン業界とのコラボレーションを積極的に仕掛けていくとのこと。最後に「大事なのは人のつながり。僕の活動に興味を持ってくれた方は気軽に声をかけてください」との呼びかけで講演を締めくくりました。

関西大学・大阪大学によるショートプレゼンテーション

続いて会場提供いただいた関西大学の田中教授からのショートプレゼンテーション。関西大学はこれまでドローンによる空撮や測量など数多くのプロジェクト実績がありますが、今回は測量の取り組みについて発表されました。

また、大阪大学大学院に所属しながらドローンベンチャーの経営も行っている西下さんにも、「都市部における安全なドローン離着陸システム」についてショートプレゼンテーションを行っていただきました。

活発な交流が行われた懇親会

イベントの後半は、ドリンクと軽食を用意した懇親会。丸川氏の乾杯の挨拶から始まり、参加者同士で積極的な情報交換が行われている姿が印象的でした。また、会場には先日発売されたばかりのPhantom 4 Pro V2と、Matrice 200シリーズが展示されており、「初めてドローンの実物を見ました」という方から「購入を迷っているんです」という方まで、さまざまな方が実機を見ながら情報交換を行っていました。

懇親会中は飛び込みのライトニングトークを実施。イノベーション都市・深センの紹介、高輝度モニターの開発などバラエティーにあふれる内容を5組の方に行っていただきました。

懇親会の最後まで残ってくださった方々と記念写真。関西のドローン業界がこれから一気に盛り上がっていくことが予感させられるような、そんな熱気に包まれた2時間でした。