文化財保護の課題
日本の文化財は、地震や台風、火災といった自然災害のリスクに常にさらされています。木造建築や紙・布を用いた装飾物は特に脆弱で、修復には多くの時間と費用が必要です。また、文化財修復に携わる職人や専門家の高齢化も進み、後継者不足が大きな課題になっています。
さらに、祭りや伝統芸能といった無形文化財は、文字や写真では十分に残せず、その形や動きを全て記録できる新しい方法が求められてきました。
ドローンによる“空からの文化財記録”
近年、文化財保存にドローンが導入されるケースが増えています。ドローンは、高所や人が立ち入りにくい場所を安全に撮影できるため、文化財の細部まで高精細に記録できます。撮影データを解析すれば3Dモデルとして保存が可能で、災害後の復元や修復計画に役立ちます。
また、ドローン映像は一般公開にも活用でき、観光や教育において文化財の魅力を広く伝える手段にもなっています。
世界と日本の実例

海外事例
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イタリア・ポンペイ遺跡
ドローンを用いた高精細空撮と3Dモデリングで、壁画や建築の現状を保存。崩落リスクの高い場所を定期的にモニタリングし、修復計画に活用されています。 -
フランス・モン=サン=ミッシェル
ドローンとレーザー測量を組み合わせ、地形や建造物を3Dデータ化。観光振興や防災対策にも役立てられています。
日本の事例
- 姫路城(兵庫県)
外壁や瓦の劣化調査にドローンを導入。高所作業の安全性を確保しながら、詳細な画像データを収集しました。 - 熊本城(熊本県)
2016年の熊本地震で崩落した石垣の被害状況をドローンで記録。復元作業の基礎資料として活用されました。 - 青森ねぶた祭
山車や演舞を上空から撮影し、デジタル映像として保存。無形文化財のアーカイブや国内外への発信に役立っています。
使用される主な機体と技術
- DJI Matrice 300 RTK
産業用ドローンの代表格。RTK測位で数センチの精度を実現 - DJI Mavic 3 Enterprise
軽量かつ高精細。小規模現場や都市部の文化財調査に適応
文化財のデジタル保存では以下の技術が使われています。
- フォトグラメトリ(SfM):多数の写真から立体モデルを生成
- LiDAR測量:レーザーで地形や建築を高精度に記録
- 赤外線カメラ:建物内部の劣化や雨漏りを非破壊で検出
使用されるドローンは、DJIなどの産業用機体から小型の空撮用機体まで幅広くしようされています。
観光と文化発信への応用
ドローンで記録された映像や3Dモデルは、保存だけでなく観光や教育にも応用されています。
- オンライン公開:3Dモデルを一般公開し、遠方からでも文化財を体験可能にする
- イベントや展示:映像資料として上映し、文化理解を深める
- 教育利用:学校や研究機関で学習教材として活用
これにより、文化財は「守る対象」であると同時に「世界に発信する資源」へと進化しています。
まとめ
文化財の保存は、災害リスクや人材不足といった課題を抱えています。その中でドローンは、安全で効率的に文化財を記録し、将来の修復や継承に役立つ重要なツールになりつつあります。
さらに、空からの映像や3Dデータは観光や教育に活用され、文化財の魅力を国内外に広く届ける手段としても機能しています。
ドローンは、文化財を“守る”と同時に“伝える”技術として、新しい文化継承の形を切り開いているのです。
出典:DJI JAPAN https://www.dji.com/jp










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