ドローン初心者は何から始めるべきか?① ~プロポの選択と練習~

新しい元号にもなったことですし、思い切ってドローンを始めてみよう!という方も多いのではないでしょうか?

本連載では、ドローンを始めようと思っている、又はドローンスクールに通いたいと思っている、又は最近ドローンスクールに入学した人を対象に、不安の解消や今後のお役に立てるような「豆知識」を発信したいと思います。

究極の選択(モード1とモード2)

最初に当たる壁は、プロポ(送信機又はコントローラーとも言います)のモードです。ドローンスクールでは入学し実習が始まる前までにプロポのモードをどれにするか、選択することになります。プロポには2種類のスティック操作があり、車の右ハンドル・左ハンドルと同様、一度癖がつくともう一方に転換するのが難しくなります

[モード1] は、上昇・下降が右スティックにあり、前後左右は左右のスティックに分かれています。日本では昔から使われていたモードです。

[モード2] は、上昇・下降が左スティックにあり、前後左右は右スティックに集中しています。世界ではこちらが多いと言われています。

この「モード選択問題」は、非常に悩ましいです。日本では昔からラジコンに慣れている方はモード1と言われていますが、世界ではモード2が主流と言われています。モード2の方が「直感的にわかりやすい」と言われており、日本でもモード2を選ぶ方が増えているようです。教えてもらう先生や、周りの友人・知人に合わせる、という人もいます。最初にどちらを選ぶべきか?まるで踏み絵のような気分になります。

ですが、ご安心ください、その悩みはしばらく続きます。仮にドローンスクールを卒業しても、悩みは消えません。よって、いますぐ解決しなければならないものではありません。 卒業後にモード1からモード2に転換した友人も何人か知っています。 私はモード1がメインですがモード2の練習も時々しており、簡単な操作を講習等でやってみせる程度であればどちらでもできます。

まずはどちらかに決めてしまって、しばらくはそのモードに集中するのがよいと思います。多くの人は、そこで自分のモードが決まりますが、どうしても変えたいという人は同じだけの練習をして切り替えたりしています。
もしどうしても自分で決められなかったら、この先長い付き合いで教えてくれそうな友人や、スクールの先生に合わせるのがよいでしょう、教える側も同じモードの方が教えやすいため、色々教えてくれるはずです。

尚、モード3・モード4というのもありますが、あまり選択する機会はないので今回は省略しました。筆者が個人的に運営しているFacebookページ「UAV概論 #7 プロポのモード」でモード3・モード4について解説していますので、詳しく知りたい方はそちらもご覧ください。

毎日10分が2ヶ月後に10時間

次に、毎日の練習についてです。
ドローンスクールの実習では中型のPhantomなどの実機を使いますが、まずは小型のトイ・ドローン又はシミュレーターで慣れてから進むことが多いです。よって、それに倣ってまずは小型のトイ・ドローン又はシミュレーターから入るのが定石と言えるでしょう。価格も数千円で購入できるのでお財布にもやさしいです。

トイ・ドローンの例
「スパイダーⅡ」(童友社)

トイ・ドローンの例
「HS210」(HolyStone社)

 

それでは、小型のトイ・ドローンやシミュレーターでどのくらいの練習時間を積めばよいのでしょうか? 個人差はありますが、10時間程度と言われています。 10時間というのは、結構長いです。仮にスクールに通ったとしても、その時間だけで賄おうとすると、かなり大変です。

よってお勧めは、数千円の小型のトイ・ドローンを購入して、室内で練習をすることです。そして、毎日10分練習するのです。毎日10分を30日繰り返せば5時間になります。60日繰り返せば10時間になります。 仕事で疲れていても、明日が早くても、毎日です。毎日少しずつコツコツ続ける。最初のうちは全くうまくいかなくても、通算2〜3時間もたったころにはだいぶコントロールできるようになってきます。 継続は力なり、まずは「必ず10分間練習する」ことを習慣づけるようにするのがお勧めです。

いかがでしたでしょうか? 初めての方は、少しでも興味を持っていただけましたでしょうか?

次回は、もう少し掘り下げて解説していきます。

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高山誠一/高山ドローンリサーチ株式会社 代表。無人移動体に関する人材育成・コンサルティング・研究開発・安全管理を行う。 2013年 SIer(システムインテグレータ)に入社、SEとして複数の企業システムの安定稼働を支える。 2008年 航空測量会社に入社、主に自治体向けのシステム構築の傍、AWSをいち早く取り入れ可用性向上の基礎を作る。UAV測量の技師として測量業務にも従事、UAV測量講習の講師としても関東を中心に全国で講義を行った。 ドローンが空だけでなく陸海空で活躍する社会インフラとなり産業として発展することを願い、「TDR (Takayama Drone Research)」というFacebookページを個人の活動として2018年10月より開始、会社設立後の現在も毎日更新中。  JUIDA認定講師、DJIスペシャリスト、技術士(情報工学部門)、MOT(技術経営学)、測量士、第三級陸上特殊無線技師、第四級アマチュア無線技師。