高所清掃の常識を覆す新技術が登場した。清掃機器の世界的メーカーであるケルヒャージャパン株式会社と、ドローン開発を手がけるスタートアップである株式会社スカイコードが、ドローンと高圧洗浄機を融合させた「空飛ぶ高圧洗浄機(高圧洗浄ドローン)」の社会実装に向けて業務提携を結んだ。

高層ビルの外壁、傾斜地の法面(のりめん)、橋梁や屋根といった、従来は人力での作業が難しく、危険を伴う現場でも、安全かつ効率的に洗浄作業を行える新たな清掃手法として注目されている。
清掃の常識を覆すドローン技術
この新しい清掃ソリューションは、スカイコードが開発した専用アダプターにより、ケルヒャーの高圧洗浄機を産業用ドローンに装着できるようにしたもの。噴射ノズルや水圧、飛行ルートなども現場ごとに最適化されており、ムラなく美しい仕上がりを実現できるという。
「太陽光パネルの清掃や雪下ろし、雑草除去、さらには文化財の保全まで、多様な現場での活用が期待できます」と、両社は語る。
実践的な研修体制で導入を後押し

さらに、両社は清掃ドローンの安全かつ効率的な運用を支えるため、オペレーションガイドの整備と、スカイコードが保有する千葉県君津市の専用ドローンスペース「コードベースキミツ」での操縦研修プログラムも提供する。現場に即した実地訓練を通じて、確実な技術移転と現場導入をサポートしていく方針だ。
清掃業界に新たな風を

ケルヒャーは、世界190カ国で3,000種を超える清掃機器を展開する世界最大手の清掃機器メーカー。歴史的建造物の保全を手がける「クリーニングプロジェクト」では、自由の女神やキリスト像、広島の平和記念公園のモニュメントなどを手がけた実績を持つ。
一方、スカイコードは「未来へ。翼を掲げる。」を掲げ、ドローンによる清掃・調査・操縦講習などを展開する注目のスタートアップ。両社の強みを活かしたこの提携により、清掃業界に革新がもたらされようとしている。