人口減少、高齢化、担い手不足。日本の地方が直面するこの三重苦に、“空からの解決策”が投じられようとしている。
2025年夏、福島県南会津町に開校する「南会ドローン中学校」は、全国でも先進的なドローン人材育成プロジェクトだ。この取り組みは、単なるスキル講座ではない。操縦だけで終わらない、「地域を変える力」を育てる教育モデルとして注目されている。
操縦 × 実践活用の2コース展開
南会ドローン中学校では、目的やレベルに応じて選べる2コースを提供している。
● ドローン操縦士育成コース(定員20名・有料)
- 3日間の短期集中型プログラム
- 福島県内(南会津地方を優先)の16歳以上
- トイドローンから実技まで指導、民間ライセンス取得をサポート
- 審査制・受講料1万円
● ドローン活用人材育成コース(動画受講可・無料)
- 全20講座(30分×各回)で、物流・防災・観光・教育・農業・エンタメなどの活用事例を学ぶ
- 全国から参加可能
- 講座前後に操縦体験もあり、“飛ばすだけじゃない”ドローンの実力を体感
第一線の講師陣が多数登壇
本プロジェクトには、行政・民間・スタートアップが垣根を越えて参画。
登壇予定のゲストには以下のような多彩な顔ぶれが並ぶ。
- 国土交通省、経済産業省、福島県
- 慶應義塾大学
- Amatobu
- fly株式会社
- 株式会社スペースワン
- 株式会社Liberaware
- 株式会社 White Crow
- 株式会社 NTTデータ経営研究所
- 株式会社Kanatta
- 株式会社ミラテクドローン
- 株式会社東北ドローン
- 株式会社eロボティクス
- 合同会社RCラボ
- 白井麻衣 氏(FPVレース日本代表監督)
テクノロジーとしての「最新ドローン活用」から、地域課題に即した社会実装のヒントまで、実践的な視点が凝縮されている。
なぜ、南会津なのか?──地域から始める未来づくり
「若者や女性が地域で輝く仕組みを、ドローンを通じて作りたい」
この構想の背景にあるのは、地方創生と次世代育成の両立というビジョン。
南会津町の旧檜沢中学校を舞台に、地域の自然や文化とドローンの可能性が融合することで、参加者が“学びながら貢献できる場”が生まれている。さらに、受講後には地域イベントやプロジェクトへの参画機会も用意されており、学んで終わりではない“つながる・活かす”仕掛けも注目ポイントだ。
この試みが示す「次世代型ドローン教育」とは?
南会ドローン中学校が優れているのは、「操縦できる人」だけでなく「使いこなせる人」を育てようとしている点だ。
副業やキャリアチェンジの武器としてドローンに関心を持つ人、趣味から仕事に広げたい人にとって、このプログラムは新しい“入り口”になるだろう。そして、fly株式会社などの先進的なプレイヤーが現地に入り込んでいることで、机上では得られない実践的ノウハウも吸収できる。理想的なドローン教育モデルだ。
▼参加概要
| 内容 | 詳細 |
|---|---|
| 名称 | 南会ドローン中学校 |
| 場所 | 旧檜沢中学校 (南会津郡南会津町福米沢字大田1340-1) |
| 開催時期 | 2025年7月〜8月(操縦コース)動画配信形式(活用コース) |
| 申込締切 | 操縦士コース:7月14日/活用コース:7月31日 |
| 費用 | 操縦士コース:1万円/活用コース:無料 |
| 問合せ先 | 福島県南会津地方振興局(担当:渡部)☎ 0241-62-5206✉ minamiaizu.kenminkankyou@pref.fukushima.lg.jp |
未来のドローン人材は、都市ではなく「地方」から生まれるかもしれない。今、その最前線に南会津がある。










![ドローンクルーズ 清々しい早朝の安城岬[西伊豆町]](https://dronemedia.jp/wp-content/uploads/PB240015-180x135.jpg)























