次世代のR/C操縦システムを参考出展!第57回全日本模型ホビーショー、京商ブース取材レポート

第57回全日本模型ホビーショー 京商ブース

京商株式会社は、同社製R/CモデルのFPV(First Person View)操縦を可能にする「2.4GHz FPVシステム KYOSHOオンボードモニター」(2017年11月発売予定)と、専用の筐体に搭乗することで機体の挙動をリアルに体感できる新システム「KYOSHO RC RIDE-ON SYSTEM 4D EXPERIENCE」を発表。2017年9月29日(金)~10月1日(日)に開催された「第57回全日本模型ホビーショー」(東京ビッグサイト)で参考展示を行いました。

「没入」と「体感」。R/Cモデルによる体験を拡張する新製品

新製品の開発経緯について、京商グローバルマーケティンググループの矢嶋孝之氏は「従来の俯瞰操作の先を行く、新しいR/Cの楽しさを提供する目的があります。」と解説しました。また、RIDE-ON SYSTEMについては「サスペンションの動作や、車体の振動・傾き、クラッシュの衝撃などを、VRやシミュレータなどの仮想現実ではなく実際に体感できる製品として、RIDE-ON SYSTEMの開発に踏み切りました。」と述べています。

「2.4GHz FPVシステム KYOSHOオンボードモニター」は、既存の京商製R/Cモデルに搭載する無線カメラとモニターのセットです。「没入型」のR/C操縦をコンセプトとし、飛行(走行)中の映像を機体の視点で確認しながら操縦する、FPVを可能にします。

アマチュア無線の資格がなくても使用可能な2.4GHz帯に対応し、通信方式にFHSS(Frequency Hopping Spread Spectrum)を採用することで、30FPSの映像転送を可能としています。無線カメラは送信ユニットを内蔵しているため、電源に配線を接続するだけでOK。送信機側にモニターを装着すれば、すぐにドライバー目線でのR/C操縦を楽しむことができます。

プロポ上部にKYOSHOオンボードモニターを接続。無線カメラからの映像が表示されている
デモ機として使われた、R/C ベルトビークル「EPブリザードFR」

一方の「KYOSHO RC RIDE-ON SYSTEM 4D EXPERIENCE」は、「体感型」をコンセプトとしています。専用の筐体“4D(フォー・ディメンション)”を用いて、映像、姿勢、音響の3系統から構成されるデータをリアルタイムで再生するシステムとなっていて、ドライバーの目線でコントロールしているかのような操作感に加え、コーナリング時の横Gや加速時の前傾など、R/Cカーやドローンレーサーの挙動をユーザーへ直接的にフィードバックする機能を特徴とします。

機体に搭載するモーションデータ送信ユニットには、6軸ジャイロセンサーが内蔵されています。このセンサーが取得する姿勢データの変化に合わせて、4Dの底部に設置されたシリンダーが可動し、機体の振動、揺れ、傾きをリアルタイムで再現するという仕組みです。また、FPVカメラユニットからの映像は4Dの大型モニターやゴーグル型のディスプレイへ出力することができ、“Drone Sound System”による迫力ある音響を楽しめます。

大型モニタを備える「KYOSHO RC RIDE-ON SYSTEM 4D EXPERIENCE」のコクピット
試作された送受信機には、ドローンレーサーでもお馴染みのプロポを使用

両製品ともに、京商製のドローンレーサー、R/Cカー、ベルトビークルやミニッツなど、既存の京商R/Cモデルに搭載することが可能です。今回のホビーショーでは、ドローンレーサーに加えて、ベルトビークル「EPブリザードFR」やR/Cカー「マッドクルーザー」によるデモンストレーションが行われました。

試乗コーナーでRIDE-ON SYSTEM を体験

会場では、オンボードモニターやRIDE-ON SYSTEMを使った操縦体験会が実施されました。
特に、RIDE-ON SYSTEM のコーナーには、他社の関係者や取材スタッフが何度も足を運んでおり、注目度の高さが伺えます。

筆者も試乗しましたが、R/Cカー・ドローンレーサーともに機体の姿勢が敏感に反映される印象を受けました。コーナー進入後のステアリング操作には注意が必要で、ニュートラルポジションに戻すタイミングを誤ると簡単にクラッシュしてしまいます。マシンの視点から、次に必要となる操作を予測する必要があり、五感をフル活用した緊張感ある操縦を体験できました。

RIDE-ON SYSTEM の開発を担当した、京商R&Dグループ チーフエンジニアの藤原和樹氏は、「送受信に2.4GHz帯を使用するため、イベント会場などでは、混線により映像に若干の遅延が発生することが課題の一つです。しかし、開発時のテスト環境では5台のドローンレーサーによる同時稼動を実現しており、さらに改良を重ねる方針です。」と解説しました。今後は、納入される環境に合わせて、送受信や映像出力に関するシステム等のカスタマイズを検討するとのことです。

藤原和樹 氏(京商株式会社
R&D本部 R&Dグループ チーフエンジニア)

R/C製品の既成概念を打ち破ろうとするメーカーとして、京商のさらなる製品展開に期待が高まります。

■製品情報
・2.4GHz FPVシステムKYOSHOオンボードモニター(No.82724)
価格:11,000円+税
・2.4GHz FPVシステムKYOSHOオンボードモニター バッテリーUSBチャージャー付​(No.82724BC)
価格:14,000円+税
・KYOSHO RC RIDE-ON SYSTEM 4D EXPERIENCE
価格:298万円(予定)

■問い合わせ先
・京商株式会社
http://rc.kyosho.com/ja/