新潟市が民間企業と合同で「スマート農業 企業間連携実証プロジェクト」を開始

新潟市と民間企業5社(井関農機株式会社、株式会社ヰセキ信越、株式会社スカイマティクス、国際航業株式会社、ウォーターセル株式会社)が、スマート農機(ICT田植機、ICTコンバイン)やリモートセンシング(ドローン、人工衛星)の実証実験を開始しました。各施策で得られた情報を、営農支援システム「アグリノート」に集約し一元管理することで、稲作の省力化や低コスト化、高品質化に向けた定量的評価を行うことを目的としています。

背景

新潟市は平成26年5月に国家戦略特区に指定されて以降、規制緩和を活用した事業に加え、革新的技術を有する大手企業や農業ベンチャーと連携し、複数の実証プロジェクトを立ち上げるなど、国内最先端のICT農業を積極的に進めてきました。しかしながら、得られた情報の一元管理や取組みの成果の可視化が難しく、大きな課題でありました。

プロジェクト概要

本プロジェクトでは、各企業が有する革新的技術を組み合わせ、クラウドで一元管理して「結果の見える化」を実現することを目的に、田植え⇒生育調査⇒追肥(必要圃場のみ)⇒収穫まで、データに基づく水稲の栽培管理を実証していきます。

モニターはアグリノートのアクティブユーザーである「有限会社米八(新潟市南区)」で、作付品種は、昨年本格栽培が始まった新潟県の新品種「新之助」です。

実証区(36a×2箇所)と慣行区(10a)を設け、実証区ではスマート農機やリモートセンシングなどの最先端技術を投入するとともに、収穫後に収量や品質等について、慣行区と比較検証する予定です。

各事業者の役割

井関農機株式会社/株式会社ヰセキ信越
 ・ICT田植機(可変施肥+直進アシスト)による田植え
 ・ICTコンバイン(収量センサ測定)による収穫 等

株式会社スカイマティクス
 ・ドローンによるリモートセンシング

国際航業株式会社
 ・人工衛星によるリモートセンシング

ウォーターセル株式会社
 ・アグリノートによる農業情報の一元管理

新潟市
 ・農業者とのマッチング、全体の事業調整

実証実験スケジュール

事業期間は2ヵ年(平成30年5月15日:キックオフ ~ 平成32年3月末)で、事業1年目に農業情報の一元管理・見える化(オープンイノベーション)、事業2年目に農業情報を基にした農業経営支援(商業ベースでの機能強化)に取り組みます。また、各生育ステージにおいて、プレス公開による実演を行う予定です。