NEDO、インフラ点検や災害対応に活用する「ロボット性能評価手順書」を公表

NEDOと経済産業省が、インフラ点検や災害対応向けの各種ロボットの性能を実現場への導入前に把握するための性能評価手法を「ロボット性能評価手順書」として公表しました。

今回策定された手順書は、ロボット技術に携わる有識者との議論や模擬環境下での実機を用いた検証結果も踏まえてとりまとめたもの。

橋梁点検用の無人航空機、ダム・河川点検用の水中点検ロボット、トンネル災害・プラント災害対応用の陸上移動ロボットを対象に、求められる性能項目や性能を評価するための試験方法、試験に必要な測定機器などを盛り込んでいます。

概要

今回、NEDOと経済産業省が公表した「ロボット性能評価手順書」は、NEDOが実施した「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」の取り組みを通じて、各種ロボットの性能を実現場への導入前に把握するための性能評価手法の原案を取りまとめたもの。

模擬環境下で各種ロボットを飛行または航行させ、再現した業務プロセスに沿った各種ロボットの性能評価の試験方法と各種ロボット固有の性能を評価するための試験方法、性能評価試験に必要となる計測機器、および環境設備やテストピースなどの仕様や配置方法などの試験環境の妥当性を検証するための試験を実施し、インフラ点検業務、災害対応業務とロボット技術に関する有識者の意見も踏まえてまとめたものとなります。

今後NEDOは、経済産業省とともに本手順書の普及に努め、インフラ点検や災害対応でのロボット活用の加速に貢献するとともに、2030年に7000億円規模と期待されている社会インフラの維持管理・更新のためのロボット関連市場の創出にも寄与していきたいとのこと。

また、昨年11月22日にNEDOと福島県が締結した「福島ロボットテストフィールドを活用したロボット・ドローンの実証等に関する協力協定」の取り組みの一環として、本手順書に基づく試験を「福島ロボットテストフィールド」で実施する方針。これまでに本研究開発で得られた知見を福島県へ提供しており、福島ロボットテストフィールドの設計に一部反映される予定です。