中国大手ECサイト「京東商城（JD.com）」を運営する京東集団(ジンドンしゅうだん)が、標高5566mのエベレスト・ベースキャンプ地での飛行テストに、中国国内で初めて成功したと発表しました。
同社が開発したドローンは、これまで標高0～5500mの範囲内地域での物流配達やテストを実施してきましたが、標高5500m以上の地域でテストに成功したのは、今回が初めてとなります。
飛行試験に成功したドローン機は、V3固定翼機型ドローン、Y3 6軸マルチコプター型ドローン、小型の固定翼ドローンの３種で、すべて同社が自社開発した機種となります。
同社によると、今回の飛行テストは約1週間をかけて実施し、V3とY3型は標高5000m以上、5kgの積載物を載せた状態で安定した飛行をみせ、小型ドローンについては標高5556m以上の飛行高度を達成したとのこと。これらの飛行技術には今後、標高の高い地域への物流や物資補給、地形計測や緊急時の捜索救難活動等、様々な分野での活用が期待できます。
エベレストのあるチベット高原は、広大な土地である一方で人口は少なく、インフラ整備や気候的な問題から物流に課題を抱えています。今後ドローンによる物流が実現されれば、配送速度の大幅な短縮や人的コスト、配送員の輸送リスク等を大幅に減少させることが可能となります。
JDドローンテストチームメンバー 劉城斌氏コメント
「標高5000mある上空の大気密度が半分近く下がるため、ドローンの上昇にはさらに強い動力が必要とされる。加えて高い消耗度と低温環境作業を強いるため、電池の持続力には極めて高い要求が求められる。標高の高い地域の上空の風速も強く、気温も低いので、飛行制御と情報伝送システムは十分な安定性を保持しなくてはならない。今回のテストは難度の高い条件下において素晴しい結果をみせることができた。今回のテストデーターをもとに、今後更なるアップグレードと実用化に向けて極めて大きな収穫があった。」
