【ドローン活用アイデア】打楽器の固定にドローンを使う

出典:http://gigazine.net/news/20140424-flying-robot-rockstars/

一般的なバンドにはドラマーがいます。ドラマーはドラムセットを叩きます。ドラムセットはいくつもの打楽器を一人で叩けるように工夫してセッティングします。打楽器はその音に必要な大きさがあるのでそれなりに大きく、セッティングには苦労するものです。

各打楽器は主にスタンドに立てられています。ここでシンバルに注目してみましょう。シンバルは金属でできた円盤です。その端を叩いて音を出す楽器です。円盤が振動するコトによって音が出るのでスタンドとの固定部分はなるべくその振動に影響の出ないように、円の中心で支えるように固定します。

この「本体全部が振動して音が出る」ので「なるべく振動に影響を出さずに固定する」という構造、シンバル以外にも見たコトがありませんか?

そう、トライアングルです。トライアングルも全体が振動するので支点はヒモでぶら下がっているだけです。

シンバルもなるべく振動に影響が出ないようにスポンジ等を使い頑張ってはいますが、シンバルの場合は所詮金属のネジとスポンジでの固定です。楽器が大きいので誤差として妥協していますが本当はごく少ない接点での固定、すなわちトライアングルのようにヒモで吊るしたほうがいい音が出るハズです。

ドローンにヒモを付けてシンバルを吊ればこれが実現できそうです。音が良くなるだけでなく、足元にスタンドがないのでセッティングの利便性も飛躍的に向上します。セッティングが完了したらそれをメモリに保存しておけば、リハーサルと完全に同じセッティングを瞬時に呼び出すコトもできます。

ここまではいわゆるバンドのドラムを想定してみましたが、オーケストラの打楽器奏者を考えてみるとさらにメリットがありそうです。

オーケストラの打楽器奏者もバンドドラマーと同じようにいくつもの打楽器を一人で叩いたりしますが、大きく違うのはドラムセットのように定番のセッティングやそのためのスタンドがあまりない、というコトでしょう。

マリンバやティンパニ等、大きすぎる打楽器もたくさんある上に楽曲によって使う楽器も違うのでオーケストラの打楽器を定型的なセッティングにするのは現実的にはほぼ不可能なのです。

そこで、大きな楽器(とドローンコントローラ)だけ自分のまわりにセッティングしておいて、トライアングルやウィンドベル等の細かい楽器はドローンで飛ばしておけばいいのではないでしょうか。楽曲において必要なタイミングで必要な楽器が目の前にあればそれを叩くだけで自分は移動しなくていいのです。

オーケストラ打楽器あるあるとして「楽器を置く時のほうが音がデカい」「移動の足音が曲のビートとポリリズム」なんて言葉があります。いやないかもしれませんが今思いつきました。たしかにこういった現象は存在するのです。

打楽器奏者の楽器を置く時の緊張感は演奏以上です。もちろん余計な音を出さないように台に布を置いたりはしていますが、それでも余計な音は出てしまうものです。

それから打楽器、特に金属系の打楽器(まさにトライアングルやシンバルですね)というのは音が完全に消えるまでには結構時間がかかるのです。そのために音が消えるまで楽器を持ってぼーっとしていると次の楽器の演奏に間に合わないなんてコトにもなりかねません。しかたなく音の途中で楽器を置くようなコトはなるべく避けたいところです。

この問題もドローンで解決です。叩いたらすぐに目の前から移動させて放置しておけばあとはドローンが勝手に「楽器を持ってぼーっと」してくれるのです。

楽器が音を出しながら移動するとドップラー効果で多少音程が変わりますが、打楽器ならばさほど気にならないでしょうし、もし気になるならキチンと計算して移動速度とチューニングを合わせてやれば解決できます。

そんなコトより現在の技術ではドローンは音楽用途としては使い物にならないほどやかましい、というコトです。どなたか静音ドローンを開発していただけませんでしょうか。

尚、今回のコラムは、楽器の移動媒体としてドローンを使う、というのが趣旨ですが、
ドローンで楽器を演奏するアイデアはすでに実験している人がいるようです。
静音化ドローンが開発されたら色々な演奏法が出てきそうです。

こちらのTEDの後半部分を参照してください。
https://www.ted.com/talks/vijay_kumar_robots_that_fly_and_cooperate

またはこちらの記事を参照していただけたらと思います。
http://gigazine.net/news/20140424-flying-robot-rockstars/