ドローンクルーズ:東京で絶景を空撮する 伊豆大島(Vol.1)

竹芝桟橋から東海汽船のジェット船で約2時間。
思った以上に近いのに、絶景が数多く、そして品良く用意された大島。伊豆七島の中で東京に最も近く、通おうと思えば通えそうな距離感。(いや、通えないです。)
東京で空撮するなら、やはり離島でしょう。品川ナンバーのレンタカーで島内を駆け巡りますよ。

大島は絶景空撮ポイント満載!

ここは、海はもちろんのこと、切り立った崖、古代の地層、灯台、公園、と、撮影するポイントが意外と言っては失礼なほど用意されています。
特に、三原山と裏砂漠。ここはドローン空撮する者にとっては、なんとも言えない魅力を秘めた撮影スポットです。

まずは、日本の中で「砂漠」と付く地名はここしかない、という『裏砂漠』に行ってみたいと思います。

裏砂漠で思いっきり飛ばしてみる。

裏砂漠は、三原山の度重なる噴火のたびにできた場所で、噴火の際に飛び出した黒い軽石(スコリアと言います)で一面に覆われた場所です。風が強いことが多く、植物のタネが運ばれてきても吹き飛ばされやすく定着しません。また、定着しても雨による水は砂漠の奥底に吸い込まれ、表面に留まらないため発芽しにくく、仮に発芽しても、時折り出る炭酸ガスなどもあって枯れやすい、そんな場所だからこそ、砂漠となって広がっています。
黒っぽい小さめの砂利が続く砂漠は、まるで地球上とは思えず、別の惑星に来たかのような錯覚。至る所に転がる火山弾らしき石も、ひょっとしたら火星か月の石かと思わせるほど、普段見る石とは異質の気配を感じさせます。

裏砂漠での空撮上の注意事項

ここは低木がややある場所もありますが、それも3mもない程度の高さ。広大な空間には遮るものはありませんので、自由にフライトできます。
注意すべきとすれば、三原山方面からなだらかに続く高低差。高度を変えていないのに、距離を行くごとに、意外に山肌が機体に近づいて来たり(あるいは遠のいたり)見た目以上に高低差があることがわかります。勢い余って山肌に突っ込まないようすることだけ注意していれば良いでしょう。

地面の黒と、空の明るさのコントラストが、この地を神秘的に見せる要素の一つではあるのですが、その明暗の差があり過ぎて、場合によってはカメラ設定が難しいかもしれません。
空はNDフィルタ必須です。晴れていればND8以上。しかし、このまま地面を映しこむと、かなり暗い映像に仕上がります。低木の緑をアクセントに、編集しやすい明るさをキープしながら空撮します。

裏砂漠での乗り入れ上の注意点

この地は、通常のレンタカーの乗り入れば禁止です。裏砂漠に入るには、裏砂漠専用車両を借りる必要があります。
また、たとえ専用車両を借りても、入れるエリアは決まっています。轍に沿って進んだところで、これ以上入ってはいけないとされる立て看板があります。そこまでで車の乗り入れはしないようにしましょう。
裏砂漠入口から入るのが最も入りやすいですが、裏砂漠第一展望台や、裏砂漠第二展望台に行きたければ、月と砂漠ラインから車で入っていき、月と砂漠ライン駐車場まで行けます。そこから歩いて裏砂漠を堪能できます。
月と砂漠ラインは狭く(対向車が来るとすれ違うことができないところばかり)危険なため、通常のレンタカー屋は、月と砂漠ラインの車の乗り入れを禁止しています。どうしても車で行きたければ、貸してくれるレンタカー屋を探す必要があります。

そういう事情で、私もまだ月と砂漠ラインを入っていったことがなく、第一展望台や第二展望台からの空撮を試せていませんが、次回の大島で、ぜひチャレンジしたいと思います。

裏砂漠を疾走する映像がこちら
https://youtu.be/8-wwX57VZXo

【ご協力・ご相談・届書提出先】
★大島町役場 観光課
★大島観光協会
★大島支庁:空港・港湾関係[岡田港、元町港、波浮港]
★大島支庁 土木課[トウシキ園地]
★伊豆諸島自然保護官事務所:三原山・裏砂漠関係]

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1990年からPC・UNIXベースのシステム設計・開発技術者としてスタートする。 ソフトウェア販売・マーケティングを習得し、国内ITコンサルティング企業に転職。 流通・小売、製造、地銀等のITコンサルティング、プロジェクトマネジメントを実践。 現在はこれまでの経験を活かし、新規事業創出・企画者育成、イノベーター育成・事業承継支援等を行っている。 2017年4月にドローンに本格的に取り組む。 2017年5月デジタルハリウッドロボティクスアカデミードローン専攻を卒業。 国土交通省の「無人航空機の飛行に関する許可承認書」を取得。 2018年には、DJIスペシャリスト、JUIDA認定講師の資格を取得。 現在、全国の空撮現場や、ドローンを教材にした人材育成分野の現場に多く携わっている。