国土交通省のHPで発表された「飛行情報共有システム」の詳細解説

2019年4月23日に国土交通省のHPで「航空機・無人航空機の安全確保に向けた情報共有サービスが始まります~無人航空機の飛行日時・経路・高度等をオンライン上で共有~」という報道資料の発表がありました。2016年1月にドクターヘリと無人航空機のニアミス事案の発生などを機に、安全確保のための仕組み作りが検討されていたそうです。
ここでは、このサービスが一体どのようなものなのか、少しずつ述べていきたいと思います。

ログイン

報道資料にもリンク先 があったので、まずはアクセスしてみました。初めてなのでアカウントの開設をしました。尚、飛行の許可・申請を行う「DIPS」のアカウントを持っている方でも新規に作成する必要があります。

 図1:最初の画面

 

アカウントを作成しログインすると、このような画面が開きます。

図2:ログイン後の画面

 

機能としては、「飛行計画登録」「飛行計画参照」「機体情報」「機体連携」「ユーザ情報」「飛行計画代行」「代行対象者登録」があるようです。詳細な使い方は利用案内のPDF も公開されていますので、そちらを参照ください。

たくさん機能がありますが、一気に覚えようとすると挫折してしまいますので、まずは他人の登録した飛行計画を見ることができるか、試すことにしました。

 

過去の情報を参照する

ここでは、過去どのような計画の登録が行われていたのかを見てみることにします。原稿執筆時点は5/10ですので、4月の情報を参照してみることにしました。
「飛行計画参照」のボタンを押すと、現在地を中心に地図がでてきます。抽出期間の From と to を入力して「抽出」ボタンを押すと、件数が表示され、その期間内の飛行計画が地図上にマークで表示されました。今回は過去の情報ということで4月に期間を絞って検索してみました。

図3:飛行計画の期間抽出後

 

表示されたマークをクリックすると、飛行時間、緯度、経度、高度、が表示されました。個人情報は表示されません。この地図縮尺のままだと、いったいどの範囲を飛行するのかがわかりませんが、地図を拡大していくと、具体的な飛行範囲が塗りつぶし多角形の形で表示されました。

図4:飛行計画の期間抽出後(内容表示)
図5:飛行計画の期間抽出後(地図拡大)

 

過去の情報が参照できることがわかりました。

未来の飛行計画を参照する

ここでは、無人航空機による飛行計画を立てる際に、他の機関の計画と重複していないかを確認して安全な航行に役立てることができるのか?という観点で見てみたいと思います。
今度は、5月20日から6月の期間に設定して抽出してみました(原稿執筆時点は5/10です)。尚、どうやら画面に表示した範囲内だけで検索をおこなうようで、地図の縮尺を拡大したままだと「0件」と出てきてしまうことがあるので、いったん地図の縮尺を変えてから抽出するようにしていください。

図6:飛行計画の期間抽出後(広域)

 

先ほどと同様に、飛行機のマークと飛行範囲の塗りつぶし多角形が出てきて、飛行時間などの飛行情報も表示されました。 ただ、同じ範囲で別の日の飛行が被っていたようで、重なっているもう一方の情報が見づらいと感じました。このあたりはWebシステムですので使われていくうちに改善していくものと期待しています。

図7:飛行計画の期間抽出後(拡大)

 

飛行計画を登録

参照しているだけではつまらないので、実際に登録もしてみました。登録画面はこんな感じでした。

図8:登録画面

 

検索窓がまだ使いづらいですが、そこは今後の改良に期待したいと思います。

飛行エリア近くまで地図を拡大してから、「+」ボタンを押します。半径を指定した円領域を指定することもできますし、多角形を描く方法もありました。

図9:飛行エリアの登録 円  図10:飛行エリアの登録 多角形

 

エリアを指定した後は、高度、日時、期間、操縦者名と機体情報、ルール(目視外や物件投下があるかなど)、を入力します。

図11:情報入力

 

入力が終わったら「飛行状況へ」というボタンを押すと、登録の直前の画面になります。違法の可能性のある領域なども出てきますが、その内容をよく確認しましょう。ここでは、空港周辺ではありますが進入表面より下を飛行させるだけなので、問題なしということで登録を進めます。

図12:登録直前画面  図13:登録直前 確認画面

 

登録が完了すると、完了のメッセージが出てきます。

図14:登録完了

 

尚、過去日付の計画を登録しようとしたら、エラーがでて登録できませんでした。まあ、当然といえば当然ですね。
それでは、本当に登録できたか、確認してみましょう。「飛行計画情報」をクリックすると、登録した内容の一覧が出てきます。「飛行中」「予定」「履歴」とありますが、「予定」のところに今回登録した内容が表示されていました。

図15:飛行計画登録後 予定

 

それでは、一般の方にはどう見えているでしょうか?メニューに戻り、「飛行計画参照」で登録した日付で抽出します。 登録できていることが確認できました。

図16:飛行計画の参照画面で確認

 

飛行計画のキャンセル(削除)

飛行計画をキャンセルすることもできました。それには先ほどの「飛行計画登録」の画面に戻り、「飛行計画情報」の一覧の中からキャンセルしたい予定の右横にある縦3つの点を押すと、「飛行計画をキャンセル」というメニューが出てきますので、そこでキャンセルすることができます。キャンセルをすると、一覧からは表示が消え、「飛行計画参照」機能でも検索に引っかからなくなりました。

図17:予定をキャンセル① 図18:予定をキャンセル②
図19:予定をキャンセル③  図20:予定をキャンセル④

 

まとめ

今回の要点はこちらになります。

・飛行情報共有システムのサービスが開始した
・登録された飛行計画を参照することができる
・飛行計画は、飛行時間、緯度、経度、高度、飛行範囲、が表示される
・個人情報は表示されない
・飛行計画の登録・閲覧・削除が簡単に行える

地図システムとしての使い勝手はまだ改善の余地がありそうですが、一通りの流れをスムーズに行うことができました。

システムの機能としては、飛行計画を登録した日時・範囲に他の飛行計画が重複したときの調整先を表示したり、飛行中に航空機の接近を検知したときに画面上で注意喚起を行う仕組みがあるそうです。調査結果がでましたら、また報告したいと思います。

<参照先リンク>
・ドローン情報基盤システム(飛行情報共有システム)トップページ
   https://www.fiss.mlit.go.jp/top
・ドローン情報基盤システム(飛行情報共有システム)ご利用案内
   https://www.fiss.mlit.go.jp/public/api/operationsManualPDF

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Takayama
高山誠一/高山ドローンリサーチ株式会社 代表。無人移動体に関する人材育成・コンサルティング・研究開発・安全管理を行う。 2013年 SIer(システムインテグレータ)に入社、SEとして複数の企業システムの安定稼働を支える。 2008年 航空測量会社に入社、主に自治体向けのシステム構築の傍、AWSをいち早く取り入れ可用性向上の基礎を作る。UAV測量の技師として測量業務にも従事、UAV測量講習の講師としても関東を中心に全国で講義を行った。 ドローンが空だけでなく陸海空で活躍する社会インフラとなり産業として発展することを願い、「TDR (Takayama Drone Research)」というFacebookページを個人の活動として2018年10月より開始、会社設立後の現在も毎日更新中。  JUIDA認定講師、DJIスペシャリスト、技術士(情報工学部門)、MOT(技術経営学)、測量士、第三級陸上特殊無線技師、第四級アマチュア無線技師。