ANAホールディングス株式会社と長崎県五島市がドローンによる離島間無人物流の実証を発表

ANAホールディングス株式会社と長崎県五島市が、株式会社自律制御システム研究所、株式会社NTTドコモ、株式会社プロダクションナップと協力し、二次離島地域住民の生活利便性を向上することを目指したドローンによる物流の実証を行うと発表しました。五島市無人物流協議会(仮称)を設立すると共に、長崎県五島市における有人島間にドローンを用いた物流網を構築。地域住民、域内の小売業者、医療事業者等と連携体制を構築し、今年度内に合計20日間の実証実験を行う予定です。

実証実験概要

日時:第1期検証   9月25日(水)~10月4日(金)を予定 第2期検証   2020年1月頃、10日間を予定
飛行区間:福江島〜黄島および赤島
運搬物:生活用品、食品、医薬品等を予定

黄島および赤島について

赤島は福江島の南の約7km沖に位置する有人島。福江港からは約15km、定期船で30分程度。商店、水道はなく、福江島から食料等を取り寄せるか福江島に買い物に出ます。昭和30年には350人以上の人が暮らし、伊勢海老等の漁が盛んでしたが、現在は美しい自然に囲まれた島で雨水を貯水して10世帯13人が生活をしています。

黄島は福江島の南の約8km沖に位置する有人島。定期船が1日に2回、福江-赤島-黄島と結んでいます。島内には商店が一軒と民宿が2軒あり、水道も整備されています。昭和30年には約650人いた島で、現在は25世帯35人が生活しています。釣りの聖地と言われる五島の中でも釣り客が集い、ANAが発行している機内誌「翼の王国」では猫島として紹介されました。

各社の主な役割

ANAHD:ドローンの運航管理 (本事業の受託事業者)、協議会事務局
ACSL:機体の提供および運航サポート
ドコモ:ドローンの上空飛行に係るLTEネットワークの提供、およびdocomo sky™(ドコモ スカイ)の運航支援基盤による上空の電波状況を考慮した運航計画の策定支援
NAP:運航サポート
五島市:本事業の発注者。検証対象となる地域及び関係者との調整等

本事業について

五島市は内閣府地方創生推進交付金事業「令和元年度ドローンi-Landプロジェクト」離島間無人物流実証事業の委託事業者として、ANAHDを採択しました。

五島市は11の有人島と52の無人島からなる地方自治体。住民サービスの観点から離島部の利便性の向上を目的とし、この11の有人島間の物流の将来にドローン物流の実運用を目指し、さらには雇用の創出を目指す事業を平成30年度から実施。平成30年度は奈留島-前島間の物流実証において、人口24人の前島に模擬薬と食料品の輸送を試みました。

令和元年度事業では、五島市無人物流協議会(仮称)を設立し、発注から受け取りまでの仕組みの検討及び検証、ならびに市内でドローン物流オペレーションを担う人材を育成し、将来的な市内離島部でのドローン物流の実用化を目指すとのこと。